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前回 俺を暖かく迎え入れてくれた皆としばし話をしていたら、気付いたら夜になっていた。 ああ、そうだ。 あの人に会ってお礼を言わなくちゃ。 俺はそう思い、夜の庭に足を運ぶ。 目的は勿論、龍門渕さんとお話する事だ。 「今晩は。」 「今晩は、久しぶりですわね、京太郎君。」 「色々、有りましたので。」 「そうですの、よかったら聞かせてもらえますかしら?」 「すこし、長いですが聞いてもらえますか……?」 「ええ、京太郎君の話なら、幾らでも聞きますわ。」 俺はIHに応援に行ってからの事を話した。 咲達と再会した事、母親と再会した事、母親から聞いた俺の出生の事、母親を看取った事。 長野に戻って葬式をした事、俺が家に戻り塞ぎこんでいた事、遺品整理をしたこと、その後変な夢を見た事。 透華さん達が俺の家に来た事、透華さんが倒れた事。 そして、衣さんと純さんが迎えに来てくれた事、全てを話した。 俺が話している最中、龍門渕さんは真剣な眼差しを俺に向けながら聞いてくれていた。 「……そうでしたの、二人には感謝しないといけませんわね。」 「京太郎君、今まで大変でしたわね、私には何と言ったら良いのか……ただ、困った時、辛い時は家族に頼ると良いですわ。」 「それは家族、周りに居る人間もそうですし、その中には勿論、私も含まれていますが。」 そこまでは柔和な笑みを浮かべながらそう言っていたが、 龍門渕さんは再び真剣な眼差しを向けながら俺に言ってきた。 「辛い時は辛いと言いなさい。」 「頼りたい時は頼りたいと言いなさい。」 「家族はきっと貴方に頼られる事を待っていますわ。」 「はい、わかりました。」 「それとありがとうございます。」 「俺、龍門渕さんの言葉で立ち直れたんです。」 「心の中が冷たくなった時、龍門渕さんの言葉があったから。」 「衣さんたちが差し伸べた手を掴めたんです。」 「衣や純にもお礼を言ってあげた方が良いですわね。」 「それは勿論、感謝していますから。」 ふふっと笑った彼女が少し申し訳なさそうな顔をした。 「どうしましたか、龍門渕さん?」 「……京太郎君、貴方のお母様が亡くなってから日も浅いのにこんなことを言うのも憚られるのですが。」 「……はい。」 「私の事は龍門渕さんとは呼ばないで欲しいのですわ。」 「京太郎君も龍門渕なのですし。」 「……ああ、すみません。」 「でも、俺の中で母親は母さんだけですし。」 「下の名前じゃダメでしょうか?」 龍門渕さんは俺に一瞬見せた悲しそうな瞳を伏せて、頭(かぶり)を振った。 「仕方ありませんものね……」 「やはり時間というものは酷なものですわ。」 「すみません。」 「構いませんわ。」 「それじゃ、俺はここら辺で。」 「……お休みなさい、良い夜を。」 「お休みなさい。」 夜の別れを交わした後にいつも通り、自室のベッドで眠りつく。 今夜はどんな夢を見るのだろうか…… 息が苦しい。 呼吸がしづらい。 誰かを呼ぼうと辺りを見回す。 部屋の中には幼い女の子と、男が三人。 全員心配そうな表情でこちらを見ている。 その中の一人に宛てて、呼吸もままならない体で掠れた声を出す。 「お父様……」 「……なんだ」 部屋の中で一番年上であろう男がこちらに向かって声を掛けてきた。 何故か申し訳ない気持ちで一杯だ。 「こんな親不孝者を今まで育てて頂き、ありがとうございます……」 「……ああ、よくここまで、頑張ってくれた。」 「お前は確かに親不孝者だが、それと同時に掛け替えの無いものを沢山くれた。」 「あとのことは任せなさい。」 「はい。」 少し安心した。 視線をずらし、別の男に声を掛ける。 「あなた……」 「…………」 その人は黙っていた。 声を押し殺しているようでもあった。 この人と別れるのは寂しい気持ちになる。 「透華のこと頼みますわね……」 「…………わかりました。」 最期の願いを聞いてもらったあと、男の傍らに居た女の子に視線を移す。 この子を遺すのは忍びない気持ちになるけど、 この子の前だけでは出来るだけ笑顔で居たい。 だから、この子には私(俺)の笑顔を覚えておいて欲しい。 「透華、お父様やハギヨシをあまり困らせちゃダメですわよ?」 「お母様……」 今にも泣きそうな顔を見ると心が痛い。 でも、残りたくても残れない。 最後の一人に挨拶をする。 「ハギヨシ……」 「はい、ここに。」 執事服を着た男が、哀愁を帯びた表情を見せた。 今までの事を顧(かえり)みると、感謝の気持ちで一杯になった。 「仕えてくれてありがとう、そして、これからは……」 「私の夫と娘をよろしくお願いしますわ……」 「……はい。」 また少し安心した、それと同時に凄く目蓋が重くなるのがわかる。 少しずつ下がる目蓋と同時に周りに告げる。 「……ちょっと……疲れてしまいましたわ。」 「私、もう寝ますね……」 「おや、すみ……なさ……い」 体の力が無くなるのがわかった。 「っ!」 「お母様?お母様!?」 「……だでしょう。」 「まだ逝くには早いでしょう!?」 「ねぇ!?目を開けてください!また微笑みかけてくださいよ!」 「――華さん!!」 部屋に響き渡る別れを惜しむ声が、霧の如く掻き消された。 ――――暗い。 真っ暗な闇の中、幽かな光が浮かんで揺れる。 それはやがて人の形を辛うじて作り俺に問いかけてきた。 「私に少し……力を貸してもらえませんかしら?」 何も考えず頷いていた。 知っているかどうかわからない相手に、助力して良いものかどうかも考えず。 ただ、なんとなくだが、手を貸してあげたいと思った。 俺が頷いたあと、顔もわからないのに相手は笑っていた気がした。 起きた頃には夜が明けてちょうど朝日が覗いていた。 あの夢はなんだったのだろうか…… ただの夢だと決め付けるには何か心に残る感触がある。 偶然だとは思うが透華さんが幼い頃の夢、母親を失う夢。 母親か……俺の本当の親は今、何所で何をしているのだろうか。 生きているかどうかすらわからないが、少し気になった。 一番、事の真相を知っていそうな人に聞いてみることにしてみる。 部屋の前まで行って、戸を叩く。 中から「入りなさい」と聞こえてきたので扉を開けた。 京太郎「失礼します。」 透華祖父「ああ、京太郎君か、どうしたんだね。」 京太郎「聞きたいことがあって。」 透華祖父「……なんだね?私が話せる範囲なら教えるが。」 京太郎「俺の……本当の親に関してです。」 透華祖父「……君の親について、今は何も言える事はないぞ?」 京太郎「…………」 透華祖父「父親の事については知らないし、母親に関しては今は言えない。」 京太郎「言えない?」 透華祖父「"今は"だ、恐らく、その時が来たらわかるだろう。」 透華祖父「ただそんなに気になるなら自分で調べてもいい、君が正答に辿り着けるとは思えないがな。」 京太郎「……わかりました、ありがとうございました。」 透華祖父「ああ、それと一つヒントを出しておこう。」 透華祖父「君は龍門渕に連なる人間だ。」 透華祖父「それは間違いないだろうな。」 京太郎「……失礼しました。」 俺は静かに扉を閉め、部屋を後にした。 さて、どうしたものか、少し聞いて回ってみよう。 ハギヨシさんは……ダメか、多分口止めされてるだろうし。 まずは衣さんかな、あの人なら協力的なはずだ。 別邸の衣さんの部屋に辿り着く。 果たしてどのくらいまで知っているかは定かではないが、聞いてみることにした。 ノックをして入り、そして衣さんに事情を説明し、相談してみたが…… 衣「衣にわかることなんて、たかが知れてるぞ?」 京太郎「それでも、何か手がかりが欲しいんです。」 衣「うーむ……」 衣さんが腕を組んで顔を顰(しか)めて考えこむ。 やがて何か思い出したのか、ハッと顔を上げた。 衣「そうだ、きょうたろーの力に関してなら衣も少しわかるぞ!」 京太郎「俺の力って手掛かりになるんですか?」 衣「恐らくだがな……」 衣「……能力は大別すると生得(せいとく)的な部類と後天的な部類に分けられる。」 京太郎「せいとくてき?」 衣「所謂(いわゆる)先天的、つまり生まれながらに持っているのものだぞ。」 衣「後天的なのは、弛(たゆ)まぬ研鑽の賜物だったり、何らかとの邂逅なりだ。」 衣「それこそ、生死の淵を彷徨った際に拾ったものもな。」 京太郎「はぁ……」 衣「それで、肝要なのはこれから話す生得的な力に関してだが。」 衣「きょうたろーはどんな種類があると思う?」 京太郎「えっと、生まれた時から持っている才能とか……」 京太郎「あとは……家族……あっ……」 衣「気付いたか。」 どこか得意げな衣さん顔は置いといて、 俺は衣さんの質問の意図に気付いた。 衣「そうだ、血の系譜、遺伝だ。」 衣「衣は海底、トーカは治水。」 京太郎「二つとも水が関係してますね。」 衣「衣とトーカが水に因(ちな)んだ力を持っているのは血を継がれてきたからだ。」 衣「衣とトーカの母方の祖父君、祖母君が同じだからな。」 衣「だが、如何に龍門渕の血が強くとも、代を追うごとに別の血が入るものだ。」 衣「例え同胞(はらから)でも能力の性質が変わってくる。」 衣「衣の母君と伯母君でも差は有った筈だ。」 衣「そこに別の血が交われば、更に変質する。」 京太郎「なるほど、父親の遺伝が関係して治水と海底の差になったんですね。」 衣「そしてきょうたろーは氷。」 衣「この前、衣と対峙した時はきょうたろーは半ば暴走していたが、きょうたろーの力の原質は氷で相違無いだろう。」 ふと疑問が湧く。 氷の力なんざ、気付いたのはつい最近だったのに、幼い頃にそんな予兆なんて感じなかった。 力に関して一応気になったので聞いてみる。 京太郎「あの、ちょっといいですか?」 衣「ん?なんだきょうたろー?」 京太郎「俺の氷の力って先天的なんですかね?」 京太郎「だって能力を使えるようになったのってこっちに来てからですよ?」 衣「きょうたろー、貴様麻雀をまともに始めたのはいつからだ?」 京太郎「えっと、高校に入ってからですね、もっと言うなら龍門渕に入ってからですよ。」 京太郎「それまでは清澄のサポートや雑用ばっかりで牌も碌に触ってませんでした。」 衣「そんなものでは力の発露もへったくれもないぞ!」 何か怒られた。 それもそうか、スキーを碌にやった事のない者がいきなり技を出来るわけも無い。 努力も碌にせずに異能の力が手に入ったら苦労はしないだろう。 衣「寧ろ、よく、あの短期間で力を出せたものだ。」 京太郎「すいません……」 衣「いや、褒めておるのだがな、どうやって骨を掴んだのだ?」 京太郎「頭を冷やせって言われたのを思い出して、それからですね。」 衣「……ふむ、条件はトーカに近い感じもするな、流石義姉弟と言った所か。」 衣「恐らくだが衣が推察するに、きょうたろーは衣よりトーカに近いと思う。」 衣「頭に"何の確証もありはしない"が付くがな。」 衣「まぁ気にする事でもあるまい。」 衣「きょうたろーが何所の生まれだとしても、依然変わらずきょうたろーは衣の家族だ。」 少し涙腺に来た。 ずるいと思う、その言葉。 京太郎「……ありがとうございます。」 衣「なに、気にするな、衣は当然の事をしたまでだ。」 もうこんな時間か、最近日課になってきた勉強のお時間だ。 転校してから、こっちの授業に追いつく為に予習なり復習なりしているわけだ。 勉強がそこそこ進んだ後、自分の親に関する手掛かりに関して考えてみる。 義祖父さんの言葉。 「今は話せない。」「自力では探してもわからない答え。」「俺が龍門渕の人間である。」ということ。 衣さんの推察。 「俺の力は先天的遺伝。」「力から察するに本家筋に近しい。」ということ。 そして、母さんの遺品整理で出てきたこのペンダント。 「取り違えられた俺。」に「生まれたときから持っていたペンダント。」 つまり俺の本当の親が持たせた可能性があると思う。 これらを考えるに透華さんの母親が俺の母親か? それなら義父さんが養子縁組を引き受けたのはわかる。 衣さんが言っていた「本家筋に近くて、且つ透華さんに似ている」というのも頷けるが…… まだよくわからない、考えていたら眠くなってきたので少し眠る事にする。 ベッドに横たわり、うたた寝していると、声が聞こえてきた。 「ちょっとだけ借りますわね。」 単純に夢の中だと思ったので心の中で了承した。 そのあと扉を叩く音が聞こえた。 私は京太郎様にとあることを聞く為にお部屋までやってまいりました。 扉をコンコンと、ノックし、声を掛けます。 人が居る気配はするのですが返事がありません。 お休み中なのでしょうか。 再度ノックをし、声を掛けたところ、今度は返事が返ってきました。 京太郎様にしてはお声が高かった気がします。 ハギヨシ「失礼いたします。」 京太郎「どうしましたか、ハギヨシ。」 ハギヨシ「お休みのところ申し訳ありません。」 ハギヨシ「私個人の私情を挟み誠に僭越なのですが。」 ハギヨシ「京太郎様のご実家で気になるものを見つけてしまいまして。」 ハギヨシ「龍門渕家のシチューはどのようにしてお作りになられたのですか?」 京太郎「……そういえば、貴方でも教えていない事がありましたわね。」 何か違和感がありました。 京太郎様のお声。 私の事をハギヨシと呼ぶ。 口調の変化。 先程までお休みになられていたからでしょうか。 少し目が虚ろのような気がします。 京太郎「……確かにあのシチューは私が作り上げたものです。」 ハギヨシ「一体どうして……いえ、それより作り方を教えて頂けませんでしょうか。」 京太郎「……残念ながらあれは龍門渕家の女が作るものです。」 京太郎「いかにハギヨシが誰よりも、それこそ龍門渕家よりこの屋敷で長くとも、教える事は出来ません。」 ハギヨシ「!?」 おかしい、何かがおかしいのです。 何故、龍門渕家のシチューを作れるのか。 何故、龍門渕家の伝統や慣習を知っているのか。 そして、何故、私が元々この屋敷に居た事を知っているのか。 これらを知っている方など、もうこの世にはいらっしゃらないのに。 …………ある可能性に気付いてしまいました。 ありえないと、あまりに荒唐無稽な話だと思われるのですが。 その可能性に気付いてしまいました。 私は意を決して、不躾な質問だとわかりながらも、京太郎様に尋ねます。 ハギヨシ「貴方は……本当に京太郎様なのですか……?」 京太郎「…………」 京太郎様は、いえ、この方は片手で髪を払う仕種をしたあと、何かが足り無いような表情をなさいました。 そのあと、この方はご自身の胸元にあったペンダントを取り出しました。 処々の仕種、喋り方、ペンダント、そして聞き覚えの有る声。 やはり、と言うべきでございましょうか。 私の考えが確信へと変わりました。 ハギヨシ「貴女なのですか……」 ハギヨシ「私の考えが正しければ貴女は……」 京太郎「ハギヨシ……私がいなくなったあと……」 京太郎「透華は恙無く日々を送れていましたでしょうか……」 京太郎「あの人は……体を壊してはいませんでしたか?」 ハギヨシ「……透華様は健やかにご成長なさっています。」 ハギヨシ「旦那様も体は健康でございます。」 京太郎「……私のお願いを守ってくれているようですわね。」 ハギヨシ「……執事として、職務を全うしたまでです。」 京太郎「今までの透華の写真とか……ありませんかしら?」 ハギヨシ「ただいま、ご用意致します……」 私は大急ぎで龍門渕家のアルバムを持ってまいりました。 このアルバムには透華様のご成長の記録が載ってあります。 そしてそれを待っている方に御渡ししました。 「お待たせしました、こちらになります。」 「ふふ、やはりハギヨシ、貴方は優秀ですわね。」 「勿体無きお言葉です……」 「奥様。」 奥様はアルバムのページを一枚ずつ捲って御覧になっていました。 京太郎「これは運動会かしら……楽しそうですわね……」 京太郎「次は卒業式……あの子ったら目立ちますわね……まったく誰に似たのかしら……」 京太郎「こっちは中学の入学式かしら……まるで七五三ですわ……3歳の頃はぐずりだして大変でしたわね……」 京太郎「今度は体育祭かしら……見覚えの有る女の子ですわね……」 ハギヨシ「そちらは、衣様でございます。」 京太郎「衣ちゃん?随分大きくなりましたわね……」 京太郎「小学生くらいには見えますわね。」 ハギヨシ「僭越ながら奥様、この写真当時は中学生でございます。」 京太郎「……ふふ、そうでしたわね。」 奥様はまたアルバムのページを捲り、写真に目を通しました。 やがて高校生になったお嬢様方のお姿が載っているページに差し掛かりました。 京太郎「これは最近のものかしら……」 ハギヨシ「はい、大旦那様が理事長を務めている高校にご入学なさったころのものです。」 京太郎「そうですか……透華も衣ちゃんも大きくなったのですね……」 京太郎「よかった……本当に……よかった……」 奥様は写真に涙を零しておりました。 京太郎「透華が生まれた日は昨日のように思い出せますわ。」 京太郎「私が産気づいた時、あの人ったらおろおろするばかりで……」 京太郎「ハギヨシが車を寄越さなかったら自宅出産でしたわ。」 ハギヨシ「あまり旦那様を悪く言うのはどうかと……」 京太郎「そういえば、桜と天江さんは?」 桜様とは奥様の妹君で衣様の母君に当たる方です。 しかし衣様のご両親は既に…… ハギヨシ「…………」 京太郎「ハギヨシ」 いつもの奥様の声でした。 凛とした、それでいて透き通った声です。 私の口からはとても伝え難いことですが、奥様には伝えないといけないことです。 ハギヨシ「…………」 ハギヨシ「桜様は、いえ、天江様ご夫妻は、今から6年前に事故で衣様を遺してお亡くなりになりました……」 京太郎「…………」 奥様は暫く閉口なさっていました。 余程、妹ご夫妻が亡くなっていた事がショックだったのでしょう。 ハギヨシ「…………」 京太郎「……そうですか。」 京太郎「妹は、小さい頃から、よく私の後を付いて回るくらい私を慕っていましたわ……」 京太郎「でも、死期まで私の後を追わなくてもよかったのに……」 奥様はとても悲しそうな瞳をなさっていました。 やがて奥様はお顔をこちらに向けました。 京太郎「衣ちゃんは今何所に?」 ハギヨシ「龍門渕家敷地内の別館に住んでおられます、」 京太郎「別館?何故別館なのですか?」 ハギヨシ「旦那様が衣様を引き取る際、別館に住まわせました。」 ハギヨシ「私の個人の見解で申しあげますと、恐らくですが旦那様が異能の力を恐れた故かと。」 京太郎「そう、ですの……」 京太郎「ハギヨシ。」 ハギヨシ「はい、なんでしょう。」 京太郎「引き続き、龍門渕家をよろしくお願いしますわ。」 ハギヨシ「畏まりました。」 ハギヨシ「私は龍門渕家の執事でございます。」 ハギヨシ「どんな命令でも務めさせていただきます。」 奥様のお顔が曇りました、何か無礼な発言をしてしまったのでしょうか。 京太郎「……これは命令ではなく。」 京太郎「あくまでお願いですわよ。」 奥様の言っている意味がわかりました。 わかりましたが、それは私には受け入れられないこと…… 京太郎「ハギヨシ、こんなお願いをした私が言うのもなんですが……」 京太郎「貴方が無理をしてまでここに留まらなくとも……」 ハギヨシ「奥様。」 京太郎「…………」 ハギヨシ「私は、貴女に拾われたあの日から……」 ハギヨシ「生涯、貴女に仕えると誓いました!」 ハギヨシ「だから――「ハギヨシ」」 ハギヨシ「っ!」 京太郎「龍門渕京華という人間はもう亡くなりました。」 ハギヨシ「…………」 京太郎「だから、もう私のことを追わなくてよいのです。」 ハギヨシ「そんな!」 京太郎「ただ、もし、私の我が侭を聞いてくれるのならば……」 京太郎「龍門渕京華の執事としてではなく、龍門渕家の執事として。」 京太郎「娘達の事を……よろしくお願いします。」 ハギヨシ「……はい!」 ハギヨシ「この萩原、命に代えてもお嬢様達をお守りさせていただきます。」 京太郎「ありがとう……」 京太郎「私は少し眠りますわ、何時までも体を借りてるのも申し訳ありませんので。」 ハギヨシ「わかりました、ごゆっくりお休みくださいませ。」 私は速やかに退室して、扉を音も無く閉めました。 奥様、私は奥様の遺言が無くとも龍門渕家に骨を埋める所存でございます。 何故なら……私は…… 変な夢を見たな、しかも妙にリアルな夢だった。 俺がハギヨシさんに奥様って呼ばれていた。 そういえばさっき夢の中で取り出したペンダント…… 透華さんが似ている物を持っているって言っていた様な…… 後で聞いてみよう。 何か手掛かりが見つかるかもしれない。 透華さんの部屋の前に来た。 そして扉を開け中に入る。 この時ノック等を忘れてはいけない。 もし中の住人が着替えの最中とかだったら、物が飛んできたりするからだ。 今回はたまたま本でよかったが、次に同じ事しでかしたらもっと危ない飛んでくるかもしれない。 色気も何も感じない体を見てしまった挙句、物を投げつけられるのは割に合わない。 透華「それで、何の用かしら?」 京太郎「えっと、前にペンダントの話しましたよね?」 京太郎「それで、透華さんの持っているペンダントを見せてもらおうと思って。」 透華「ええ、ちょっと待ってください。」 透華「……これですわ。」 透華さんが部屋の奥から小さい箱を持ち出してきて見せてくれた。 京太郎「ちょっと失礼します。」 透華「どうぞ遠慮なく御覧になって。」 箱の中からペンダントを取り出し、じっくり見てみる。 見れば見るほど俺の持っているペンダントそっくりだ。 裏返して見てみる。 裏には金属プレートに文字が彫られてあった。 『愛しの我が妻』 『京華へ』 京太郎「京華?聞いたことがあるような……」 透華「京華とは私のお母様の名前ですわ。」 透華「このペンダントはお父様がお母様に向けて渡した結婚記念日のプレゼントと聞いておりますわ。」 透華「そしてお母様が亡くなった際、私が貰い受けましたの。」 京太郎「これって他に似たような物ってありますかね?」 透華「さぁ……お父様ならわかるかもしれませんが……」 京太郎「そうですか、ありがとうございます。」 透華「いいえ、どういたしまして。」 透華「ただ、次からはちゃんとノックをしてくださいませ。」 京太郎「すみません。」 ペンダントを透華さんに返して、急に訪ねたことを謝った後、自室に戻った。 そして夜が更けて、あの人に会いに行く。 「今晩は。」 「今晩は、京太郎君。」 いつも通りに挨拶を交わす。 「何かお悩みでも?」 「ええっと、ちょっと家族関係というか……」 「俺の親に関してなんですが、調べていて……」 「……そう、ですか。」 やっぱり、見れば見るほど、龍門渕さんはあの人に似ている。 俺を迎え入れてくれたあの人に…… 「あら、私の顔に何かついていまして?」 「いえ、なんでも。」 それから少し、今日あったこと等を話しながらお茶を飲んでいた。 夜も更けてきたからか、眠くなってきた。 おかしいな、昼間寝たはずなのに…… 「お疲れのようですわね、少し休んではいかがかしら?」 「すみません、昼寝をしたはずなんですが……」 「こちらへいらして。」 「え?あ、はい。」 脇の方に設置されている長椅子に誘われる。 そこにちょこんと座った龍門渕さんに引っ張られる。 「え?え!?」 「夜ですわよ、お静かに。」 「いやでも、いきなり膝枕なんて……」 「私の膝枕では嫌かしら?」 「いえ、そんなことは……」 「それでは少し、このままでいさせてくれませんかしら?」 「でも、迷惑なんじゃ……」 「私がしたいのですわ。」 ちょっと気恥ずかしいが、渋々承諾した。 この人の膝枕は何故か妙に落ち着いてしまう。 その内俺はうとうととして意識を失っていたようだ。 夢も見ず、ただ落ち着く空間に居る。 何もない空間。 心地良い空間。 命の脈動が聞こえる。 砂嵐に似たような音。 体が温かい。 不安も何もない感覚。 全てを委ねても安心できるような、そんな心地良い空間だった。 布団の中に入っているよりも寝心地が良い。 どのくらい時間が経ったのだろう。 再び起きた頃には龍門渕さんの目が少し赤かった。 何かあったのだろうか。 少し心配になり、声を掛ける。 「どうしましたか?何かあったんですか?」 「!……いいえ、何でもありませんわ。」 「それより、このままここで寝ていたら風邪を引いてしまいますわ。」 「ちゃんとお休みになるのなら、ご自身の部屋でなさい。」 「ああ、はい……」 何があったか聞けなかった。 聞いたところで答えないというのもわかった。 「……あの、膝枕、ありがとうございました。」 「いいえ、私の方こそ、我が侭を聞いてもらいました。」 「お礼を言いますわ、京太郎君。」 そう言って別れの挨拶を交わし、俺は自室で再度寝ることにした。 やがて朝を迎える、さっき寝たばかりだというのに、もう朝だ…… 今日は少し外を歩いてみる事にした。 ハギヨシさんが車を出してくれると言ってくれたが丁重に断っておいた。 最近色んなことがあったので気晴らしがてらのただの散歩がしたいのだ。 少し辺りを回りながら歩いていたら公園に辿り着いた。 子供の頃はよく遊んだな…… 懐かしのブランコに揺られながら幼少の思い出を引き摺りだして、黄昏てみたり。 母さんにブランコ押してもらった事もあったなとか…… 似合いもしないことをするもではない。 そんな俺に話しかけてきた女の人が居た。 「そこの君。」 「はい?」 「君、妙なボーイだね、なんかガーディアンにディフェンドされてる。」 「……はい?」 「あ、私は怪しいものじゃないよ?」 無茶苦茶胡散臭い人だった。 この人、どこかで見た気もするな。 「そんなにコーションしないでよ。」 「私は戒能良子。」 「一応これでも麻雀のプロなんだよ。」 ああ、どこかで見たことあると思ったらそういうことか。 相手の身元がわかったところだが、いまいち要領を得ない。 京太郎「えっと、それで何の用ですか?」 良子「リトル気になったから声を掛けた。」 京太郎「はぁ……」 良子「何か悩みでもある?」 京太郎「いえ、大したことじゃないですけど。」 京太郎「そういえばさっき俺にガーディアンがどうとか言ってましたけど、なんですかそれ?」 良子「所謂守護霊ってやつだよ。」 良子「君は大切にされているんだね、君についている人がそれを物語っているよ。」 京太郎「……そう、ですか。」 京太郎「どんな感じの人か聞いて良いですか?」 良子「う~ん、優しそうな感じの金髪の女の人ですな。」 京太郎「……なるほど。」 京太郎「ありがとうございました。」 京太郎「それじゃ、俺、家に帰らないといけないんで。」 良子「あ、ウェイトウェイト。」 京太郎「なんですか?」 良子「これも何かの縁だから、こいつを持っていきたまえー。」 京太郎「電話番号?」 良子「私は今、地元に戻ってきているんだが、暫くこっちにいるから。」 良子「霊関連とかで何かあったら聞いてくれ。」 京太郎「ありがとうございます。」 良子「そういえばまだ君の名前を聞いてなかったね。」 京太郎「そういえばそうでしたね、俺の名前は龍門渕京太郎です。」 良子「オーケー、覚えたよ、龍門渕君。」 そう言った後、俺たちは別れた。 それにしても変な人だったな…… 胡散臭すぎるけどあれでもプロだと言うから驚きだ。 帰ってきてから、今では日課となった勉強を少しやった。 そのあとは疲れてたのか、何時の間にかうつらうつらとしていた。 そして意識が途切れる瞬間、声が聞こえた。 「また少し借りて良い?」 それだけ聞かれて、明晰夢の世界に招待された。 透華「あら、あれは京太郎……?」 透華「お父様の部屋に何のようなのかしら……」 部屋にコンコンとノックの音が響く。 部屋に入ってきたのは彼だった。 透華父「ん?君か、どうしたんだ?」 京太郎?「聞きたいことがありまして。」 透華父「なんだね。」 京太郎?「"衣ちゃん"のことについて聞きたいんです。」 京太郎?「何故あの子を別館に閉じ込めるのか。」 京太郎?「単純に衣ちゃんを嫌っているなら、どこか遠くに使用人と一緒に住まわせれば良いはずですのに。」 京太郎?「あなたはそうしなかった。」 透華父「……いきなり、なんでそんなことを。」 京太郎?「あなた、言いましたわよね。」 京太郎?「『家族は支えあい、家族は大切にするべきで、そして私は貴女の家族になりたい。』って。」 透華父「!?どうしてそれを……」 京太郎?「あら、家族の声もお忘れになりましたの?」 透華父「……そうか、そういうことですか。」 透華父「ハギヨシが「もう一度奥様に仕える」と言っていましたが、このことですか。」 透華父「すみません、京華さん……」 京華「話して、くれますわよね。」 「私は、京華さんと天江夫婦が亡くなってから、あの子を引き取った時、あの子が力を持っていたことに気付きました。」 「義妹さんと似た力を……」 「京華さんに似た力を持つ透華。」 「義妹さんに似た力を持つあの子。」 「生まれた日も親から受け継いだ力も似ていた。」 「そして、母親を失った月日も近い事に気付いて、私は……」 「私は恐かった……」 「あの子たちが貴女達のように被ってしまって恐かった……」 「あの子達まで貴女達姉妹のように私達を残して去って行くのではないかと思って……」 「だから、生前の貴女達姉妹のように仲が良かったあの子達をあまり関わらせない為に、あの子を別館に……」 透華父「私を臆病者と罵ってくれていい……」 京華「知っていますわ、あなたは人一倍臆病ですものね……」 京華「優しいあなたをこんな風に変えてしまったのは、私と妹なんですわね……」 透華父「私は、本当にダメな大人ですね……」 透華父「でも、家族が居なくなるのは、もう沢山なんです……」 京華「……私もあなたのことを言えないくらい臆病者ですわ。」 京華「『私が死んでも、他の人を好きにならないで』って本当は言いたかった……」 京華「でもそれはあなたを縛る鎖になってしまうから……」 透華父「私は……僕は貴女と出会ってから、そして死んでからも、貴女だけを愛してますよ……」 京華「……ふふ、結婚記念日の事を思い出しましたわ。」 京華「ちょっとだけ、惚れ直しました。」 京華「この子の体じゃなかったら、今すぐ抱きしめられたいと思うくらい。」 透華父「……京華さん、一つ聞きたいんですが。」 透華父「京華さんは京太郎君の……」 京華「違いますわ、私が産んだ子供は透華一人のみ。」 透華父「それは、本当ですか……」 透華父「他人と言うには彼は私たちや透華に似ている……」 京華「産んだ子供を数え間違える母親はいませんわ。」 透華父「……そうですか。」 透華父「でも妙な巡り合わせですね、彼がここに来ておかげで貴女に逢えるとは……」 透華父「京華さん、貴女にもう一度逢えて、よかった……」 京華「……私もですわ。」 京華「それよりも……」 透華父「?」 京華「お行儀の悪い子に一言言ってあげないといけませんわね。」 透華「中の会話がよく聞こえませんわね……」 透華「こちらに向かってきますわ……!」 透華「早々に立ち去りませんと……」 ガチャ 京華「透華!盗み聞きとは何事です!」 透華「ひぃっ!?ごめんなさいお母様!?」 透華「…………!?」 透華「あら、京太郎?私、今お母様に……」 京華「私ですわ。」 透華「え?」 京華「鈍いですわね、この子は……一体誰に似たのやら……」 京華「とりあえず説教は置いておくとしますわ。」 京華「ハギヨシ」 ハギヨシ「はっ、こちらに。」 京華「衣ちゃんをキッチンに連れてきなさい。」 ハギヨシ「畏まりました、奥様。」 透華「え!?どういうことですの!?」 京華「ついてらっしゃい、透華。」 透華「は、はい。」 ハギヨシ「奥様、衣様をお連れしました。」 京華「ご苦労様、下がってよろしくてよ。」 ハギヨシ「はっ、ここには誰も来ないように申し付けておきます。」 京華「……やはり出来る男ですわね。」 衣「きょうたろー、ではないな、誰だ?」 衣「事と次第によっては……」 京華「お久しぶりですわね、衣ちゃん。」 衣「衣を衣ちゃんと呼び、ハギヨシが信頼を置く者、そして奥様と呼ばれた事……」 衣「……もしや、伯母君、ですか?」 京華「正解ですわ、察しが良くて助かりますわね。」 衣「これは無礼なことをしました。」 衣「よもや伯母君が黄壌より黄泉帰るとは露とも思わず……」 京華「気にしなくても構いませんわ、何しろ娘ですら気付いてないのですから。」 透華「うっ……今でもお母様というのは半信半疑ですわ……」 透華「それで、わざわざキッチンに呼んだのはどういう用件ですの?」 透華「お小言を頂くにしても、感動の再会と言うにしてもここにする意味が……」 京華「龍門渕に連なる女に教えておかないといけない事があるんですわ。」 衣「……!シチューか。」 京華「ご明察ですわ。」 ―――――― ―――― ―― 京華「出来ましたわ、味見して御覧なさい。」 衣「これは……」 衣「母君が作ってくれたシチューと同じ味……」 京華「それはそうですわ、代々我が龍門渕家に伝わる秘伝のレシピですもの。」 衣「伯母君が母君に教えたのですね……」 京華「正しくは、私たちのお母様が、ですわね。」 京華「更にこれに代を追うごとに隠し味が追加されていくのですわ。」 京華「だから貴女達もご自分で隠し味を足していくのですのよ。」 衣「あの、伯母君……」 京華「なんでしょう、衣ちゃん。」 衣「きょうたろーは今どうなっている、んですか?」 京華「少し寝ているだけですわ。」 京華「それに、もう、私が出てくることもないでしょう。」 透華「そうなんですの……」 京華「私が出てきたことで、彼の生活に支障が出てきていますもの。」 京華「だから、シチューのレシピを教えておきたくて。」 衣「もしかして、あの時のシチューは……」 京華「……私からは以上ですわ。」 京華「それでは彼のことをよろしくお願いしますわ。」 透華「ちょ、ちょっと、お母様!?」 彼の部屋に着いたあと、成すべきことを成す。 携帯電話を使い、この間彼が貰った番号にかける。 コールが一回、二回、三回と鳴ったあと番号先に繋がった。 良子『ハロー、こちら戒能です。』 京華「龍門渕ですが、今お時間よろしくて?」 良子『……ああ、憑いてた方ですねー、大丈夫ですよー。』 良子『それで、どんなご用件ですかー?』 京華「私を、彼岸に送ってほしいのですわ。」 良子『……いいんですか?』 京華「ええ、もう、この世に留まる未練もありませんから……」 良子『オーケー、送る日はいつにしますか?』 京華「明日の晩にお願いしますわ。」 良子『トゥモローのイブニングですねー。』 京華「こちらから向かいの者を送ります。」 良子『それでは以上ですかー?』 良子『お別れはきちんとしといた方が良いですよー。』 京華「ええ、わかりましたわ、それでは御機嫌よう。」 良子『グッバーイ。』 慣れない携帯電話の通話を切る。 そのあと、頭の中、いえ、本来の持ち主の声が聞こえました。 京太郎「いいんですか?」 京華「本来の役目は終わりましたし、私の我が侭も聞いてもらえました。」 京華「これ以上は貴方の迷惑になりますわ。」 京太郎「迷惑なんかじゃ……」 京華「体は正直ですわよ、それに……」 京華「貴方はもう私が居なくても大丈夫ですわ。」 京太郎「龍門渕さん……」 京華「それと、私が言うのもなんですが、透華や衣ちゃんをよろしくね。」 京太郎「……はい。」 京華「ふふ、本来だったらお願いする人が逆のはずですわね……」 京太郎「どういうことですか……?」 京華「そろそろわかるはずですわ。」 京華「それではお休みなさい。」 京太郎「ちょ、ちょっと!?」 目が覚めると俺はベッドの上に横たわっていた。 今まで半分夢を見ているような感覚だったが、恐らく現実に起こったことだと思う。 京華さんが今まで言ったことを思い出す。 そして違和感を覚えた。 確信までとは到らないが…… やがて日は昇り、京華さんとの奇妙な同居生活は今日が最後の日となった。 軽く身を整えた後、朝食を取る為に食堂に集まった時に事を伝える。 そこには義祖父と義父の姿は無かったが、それは後で伝えれば良いことだ。 京太郎「透華さん、衣さん、後で時間を貰っても良いですか?」 透華「なんでしょうか?」 京太郎「京華さんの事に関してです。」 衣「ふむ、衣は構わないぞ。」 透華「……わかりましたわ。」 今、この部屋には京華さんと面識がある5人と俺がいる。 昨日あった出来事、というか会話に関して切り出す。 京太郎「昨晩、京華さんがお別れをしたいと言って来ました。」 透華「…………」 衣「……そうか。」 透華祖父「どういう意味かね?京華がお別れとは……」 透華父「お義父さん、彼の体には京華さんの魂が入っているようなんです。」 透華祖父「……そうか。」 京太郎「えっと、話を続けても?」 透華祖父「ああ、すまんな、話の腰を折ってしまって。」 京太郎「それで、今日の夜、戒能良子さんという女子麻雀プロが来ます。」 京太郎「そこで、多分、京華さんとはお別れです。」 京太郎「だからここにいる人たちには出来れば同席してほしいんです。」 京太郎「本当に最後のお別れになると思いますから。」 透華祖父「……わかった。」 透華父「私も時間を空けておくよ。」 透華「わかりましたわ。」 衣「衣も心得た。」 京太郎「戒能プロには迎えを送ると言ってあります。」 ハギヨシ「それでは私がお迎えに上がります。」 京太郎「……俺もついていきます、面識があるのは俺だけなので。」 そして午後、再度電話で待ち合わせ場所を決めて、戒能プロと落ち合う。 リムジンに乗って家に向かう途中、少し会話を交わす。 京太郎「あの戒能プロ、少し聞いて良いですか?」 良子「答えられるクエスチョンなら答えるよー。」 京太郎「京華さんを送る方法ってどういうのですか?」 良子「う~ん、相手に変わるけど今回は麻雀卓があればオーケー。」 京太郎「京華さんに麻雀をやらせるんですか?」 良子「ん~、ちょっと違うかなー。」 良子「ゴーストが物に触れられるわけじゃないし。」 京太郎「全然意味がわからないです……」 良子「やればわかるよ。」 ハギヨシ「お二方、屋敷に到着いたしました。」 話をそこで切り上げて、卓がある部屋に人をを集める。 今部屋に居るのは、 透華さん、衣さん、ハギヨシさん、お義父さん、お義祖父さん、戒能プロ そして俺だ。 良子「それでは、送別会をします。」 透華「一体何をすればいいんですの?」 良子「見た通り、麻雀ですよー。」 良子「と言っても、手積みでですがー。」 良子「勝ち負けとか気にしなくていいのでー。」 良子「あ、そうだ、注意点を強いて言うなら洗牌(シーパイ)を長めに行ってください。」 最初は戒能プロ、ハギヨシさん、衣さんと俺が入った。 戒能プロが俺の後ろに一度立ち、背中を軽く叩きながら、 「スリープしてください。」と言った。 そして俺は半分寝ながら半分起きている状態になる。 「では、打ちましょうか。」 誰かが放ったその言葉で別れの闘牌は始まった。 河が凍りつく、きょうたろーが本気だと言う事だ。 しかし場に流れる寒気は苦しくない、寧ろ心地好いくらいだ。 ちゃんと己を律することが出来てる証拠である。 確かにこの対局は勝ち負けは関係ない。 だが本気で打つことに意味がある。 だから衣も全身全霊で打つ。 衣「海底ツモ、2000・4000。」 衣「伯母君、衣は家族も莫逆の友も得ました。」 衣「ですから、心配は無用です。」 京華「そうですわね、少し安心しておりますわ。」 衣「伯母君、もし父君と母君に逢ったら、衣は息災だとお伝えください。」 京華「わかりましたわ……」 洗牌でジャラジャラと音が鳴る。 そのあと牌を集めて積んでいく。 一体これにどんな意味が含まれているのだろうか。 京太郎「あの、戒能プロ、洗牌に一体どんな意味が?」 良子「麻雀の起源はチャイナだということを知っていますかー?」 京太郎「ええ、まあ。」 良子「今でもチャイナでは葬式のときに麻雀をやるところがあるんですが。」 良子「これは洗牌の音が亡くなった方にとって縁起の良い音なんですよー。」 良子「だから、今回は麻雀にしたんですねー。」 京太郎「そんな理由があったんですか……」 それから打っては和了り、和了ったら洗うを繰り返していた。 そしてオーラスに差し掛かった。 京太郎「…………」 京華(どうしましたか?) 京太郎(いえ、貴女はどんな力があるのかと思って……) 京華(ふふ、そうですわね、今からお教えしますわ。) 牌が卓を叩く音が暫く続いたあと、声が上がる。 「ポン」 戒能プロだった。 しかも俺の牌を鳴かれたのだ。 ツモ順が変わり、海底牌は俺に回ってきた。 衣「!?」 京華「海底ツモ、えっと……」 京太郎「……3000・6000です。」 俺も驚いたが、多分これが京華さんの力。 俺とは違う水の力。 衣さんとも透華さんとも違う。 京華「これが私の力ですわ……」 京華「どんな形にも変わり、どんな相手でも対応する。」 京華「一歩引いた場所で目立たずに謙虚でいて。」 京華「そして力の掛け方次第で岩をも穿つ濁流にもなりますわ。」 衣「上善如水、ですか。」 京華「誰かさんにも覚えておいて欲しい言葉ですわね。」 透華「うっ……お母様に言われると耳が痛いですわ……」 席と面子が変わる。 お義祖父さん、お義父さん、透華さんと京華さん(俺)になった。 全員が席に着いた時、お義祖父さんがぼそりと呟いた。 「まさか、親子代々の面子で打つとはな……」 折りしも成長した透華さんと、透華さんから見たら母親、父親、祖父と一緒に打つのだ。 何か感慨深いものがある。 慣れない手つきで打つ人も居れば、静かに打つ人も居る。 正にその場は明鏡止水という言葉が合っていた。 何も起きず、ただただ静かに打っていた。 「そろそろ、お別れですわね。」 その言葉が聞こえた後、体からすうっと、何かが抜けた気がした。 ああ、もう往ってしまうんですね。 会話は十分した、と。 お別れの挨拶も十二分にした、と。 さようなら、京華さん。 今まで守ってくれてありがとうございました。 「終わりましたわね……」 「ああ、あの子のことだ、きっとこういうことになると思っていた。」 「京華さん……僕はまだ、貴女と話していたかったな……」 名残惜しむ残された人たちの言葉が虚空へと流されていった。 暫くの静寂が続いたあと、固く閉ざされていたお義祖父さんの口が開かれる。 「済まないが、京太郎君に向かって貰いたい所があるんだ。」 「そこには君が知りたいことがあるはずだ。」 「一体どこへ……」 「君が、夜に向かう所は一つだろう?」 「……わかりました。」 そして向かう、いつもの夜に、いつものあの場所へ。 そこには金色の髪が風に靡いていた。 「誰、ですか?」 「今晩は、私ですわ。」 「今晩は、でも聞きたいのはそういうことじゃないんです。」 「……何が聞きたいのかしら。」 「俺は最初、出会った時のことを考えて、貴女が京華さんだと思っていました。」 「でも乗り移られたとしても、霊感のない俺には現実で幽霊なんて見えっこないんです。」 「ましてや、触る事も、膝枕なんてこともできません。」 「他にも、衣さんの呼び方、京華さんは「衣ちゃん」と呼びますが、貴女は「衣」と呼び捨てにしていた。」 「それで気付きました、貴女と京華さんは似ているけど別人だと。」 「龍門渕さん、貴女は一体誰なんですか……」 「……そうですか、気付いてしまいましたのね。」 「本当は私の口から明かすつもりでしたが……仕方ないですわね。」 「私は、私の名前は龍門渕……」 「龍門渕透華ですわ。」 京太郎「貴女が透華さん?……どういうことですか?」 「といっても、少し先の未来の透華ですわ。」 「今から未来の私はとある男性と付き合っていましたの。」 「ですが私のお父様はそれを良く思わなかったのでしょう。」 「あまりにも身分違いの恋愛でしたもの。」 「仲を引き裂かれる前に私たちは駆け落ち同然でタイムマシンに乗りましたの。」 京太郎「タイムマシンってそんな絵空事みたいな話……」 「今と違って科学も進歩しましたがタイムマシンなんて物は普及されるものではありませんの。」 「だから龍門渕が開発していた試作品を使ったのですわ。」 「そして何とか逃げ延びた私たちは、とある家で住み込みで働きながら匿ってもらいましたの。」 京太郎「二人とも住み込みで働いてたんですか。」 「ええ、私は家政婦を、あの人は執事をしておりましたわ。」 「匿って下さった方はとても気の良い老人でしたわね。」 「老衰の為、亡くなられてしまいましたが、私たちのために屋敷を残してくれました。」 「それから私がその家の主人となり、子供も出来、全てが順風満帆でしたわ。」 「ですがそのあとに事件が起きたのです。」 京太郎「何があったんですか?」 「賊、というより、お父様からの追っ手が来ましたの。」 「それで私は元居た時代に連れ戻されましたわ。」 京太郎「旦那さんはどうなったんですか?」 「分かりませんわ……私が連れ戻された時に離れ離れになりましたもの。」 「ただそのとき身篭った子を、衣の時のように幽閉されないためにも、再び時を越えて、とある病院で赤ちゃんを産みました。」 「その時、お母様のペンダントを赤ちゃんに持たせて……」 「元の時代に戻った時に気付きましたわ……名前も付けてあげられなかったその子に出会っていたことを……」 「……ごめんなさい……こんな薄情な、母親で……」 透華さんは涙を流していた。 過去の自分がした行動が、未だに自分を苛んでいるのだろう。 それに対して、俺は……何も言えなかった。 「どうか、透華を責めないでやってくれ……」 影から男の声が聞こえてきた。 声の主はゆっくりこちらにやってきて、透華さんを頭を撫でる。 「お祖父様……」 京太郎「どうして……」 透華祖父「言っただろう、『君の母親に頼まれた』と……」 透華祖父「二人の君の母親から頼まれていたんだよ……」 透華祖父「一人は君の育ての親から、そしてもう一人は生みの親から。」 透華祖父「……なんという巡り合わせだろうな。」 透華祖父「君と同じ日に生まれた私の子供が、君から見たら大叔父に当たるなんてな……」 京太郎「…………」 透華祖父「氷は水より出でて水よりも寒し、と言うが、子供が親を超えること、子供が無事成長する事を親は願うものだ。」 透華祖父「例えそれが、どんな形だとしても……」 京太郎「すいません、やっぱりまだ、俺は……」 京太郎「透華さんの事を、母親と呼ぶ事はできない。」 透華「……そうですわよね、今更母親面なんてする資格なんて、私には……」 俺の言葉を受けた透華さんが、申し訳なさそうな暗い顔をした。 直ぐ様、俺は言葉を続けた。 京太郎「違うんです……"まだ"呼べないだけです。」 京太郎「ですから、時間を下さい。」 京太郎「俺が、透華さんを自然に"母さん"と呼べるようになるまで……」 透華「……幾らでも待てますわ、今までずっと待ってたんですもの。」 透華「……そろそろ、私も戻りますわ……元の時代に。」 京太郎「……透華さん。」 透華「……なんでしょう。」 京太郎「透華さんはもっと、きちんとお義父さんと話すべきです。」 京太郎「多分、透華さんは勘違いしていると思うから……」 透華「お父様と、ですか……」 京太郎「京華さんと一緒に居たから、わかるんです。」 京太郎「透華さんのお父さんは家族に固執していて、行き過ぎているところはあるけど、ちゃんと愛情がある人なんです。」 京太郎「だから、透華さんもお義父さんと向き合ってください……」 京太郎「貴女と貴女のお父さんは……家族、なんですから……」 透華「そう、ですわね……」 透華「もう一度ちゃんと話してみますわ……」 透華「京太郎が安心して我が家に帰れるようにするためにも……」 透華祖父「透華、こっちはこっちで上手くやる、だから京太郎君の事は安心しなさい。」 透華「元より心配しておりませんわ、私の未来は明るいですもの。」 透華さんは笑顔でその言葉を残して、去っていった。 透華祖父「行ってしまったな。」 京太郎「ええ……」 透華祖父「……君は、ここに咲いている花の名前を知っているかね?」 京太郎「エゾムラサキ、じゃないんですよね?」 透華祖父「ああ、勿忘草(ワスレナグサ)と言うんだ。」 透華祖父「花言葉は『私を忘れないで』と『真実の愛』。」 京太郎「案外、曾御祖父さんってロマンチストなんですね。」 透華祖父「はは、京華と透華がこの花を好きな理由は、肺の病気に効果があるからだそうだよ。」 京太郎「俺を育ててくれた母さんも、京華さんも、肺で亡くなったんでしたよね……」 京太郎「愛する二人を失った貴方は、辛くないんですか……」 透華祖父「……辛くないと言えば嘘になるが、それ以上に楽しかった思い出があるからな。」 透華祖父「君も、そうだろう?」 京太郎「……ええ。」 京太郎「あの、俺を透華さんのお父さんの養子にしたのってやっぱり……」 透華祖父「……まだ君を産んでいない透華を母親にするわけにもいかないだろう。」 京太郎「こっち透華さんはまだ、高校二年生でしたね……」 透華祖父「……そろそろ戻ろうか、老体に夜風は堪える。」 いつかは俺も、曾お爺さんのように辛かった事を思い出へと昇華することが出来るのだろうか。 いつかは、透華さんを母さんと呼べる日が来るのだろう。 そして、いつか、俺にも家族を作る事が出来るのだろう。 そんな事を思いながら、大切な記憶をアルバムに仕舞いこむ。 ちゃんと心の栞を挟んで。 ――数年後―― 純「透華、京太郎がそろそろ東京から帰ってくる頃だな。」 透華「ええ、久しぶりに帰って来るから楽しみですわ。」 衣「うむ、衣も一日千秋の想いで待っていたぞ。」 京太郎「龍門渕京太郎!ただいま戻りました!」 一「お帰りなさい、東京の方はどうだったの?」 京太郎「大学で経営学んだけど中々難しいですねー。」 智紀「簡単だったら誰もが起業してる。」 透華「……京太郎。」 京太郎「……えっと。」 「ただいま、母さん。」 「おかえりなさい、京太郎君。」 カンッ!
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特別編 side姫松 ※日記発見から中身拝見までの流れは省略します ×月○日 今日は練習試合だった 強豪校を招いた練習試合で、結果次第ではレギュラーも、と言われていた 3年生だけでなく、2年生や1年生も積極的に試合に出た そこで、なんど漫先輩が全対局大爆発としか言えない結果だった もうこの人だけでいいんじゃね?って割とマジで思った 後、愛宕(貧)主将が漫さんより活躍できなかったと言っていじけてて面倒だった なのでこれ見よがしにたこ焼きを作って、主将以外の人に分けたら元気になった しかし、マジですごかったな漫さん これはもうレギュラー確定じゃね? ×月□日 今日も練習試合 みんなこの前大活躍した漫さんに期待していた が、今回は全対局不発 むしろマイナスばかりで終わっていた ここまでどうして差があるのか、末原先輩だけでなく監督まで首をひねっていた 後、愛宕(貧)主将は今回は誰よりも活躍したとはしゃいでいた うるさかったのでたこ焼きを分ける振りして自分で食べる、を繰り返してやった ちょいちょい引っかかるのでやり甲斐がある人だ しかし、漫さんのこの差はなんだろうか レギュラー、どうなる? 漫「うぅ……こんなん忘れて欲しいのに」 恭子「この日の牌譜しっかりあるで?」 由子「どれどれ……うわー、本当にこれどっちも漫ちゃんが打ったやつ?」 絹恵「ちょっと上がり下がりが激しい人……っちゅうても激しすぎですね」 洋榎「それより!京太郎のこの所業!!酷い思わん!?これはまた先輩としてびしっと言ってやらんとな!」 絹恵(そう言ってこの前返り討ちにされてとったのに) 由子(またおあずけ食らうのよー) 恭子(漫ちゃんもこんくらい分かりやすく結果出してくれたらなー) 漫(普通に打ってもここまで分かりやすくは無理です)
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京太郎「染谷先輩、ずっと好きでした! 結婚を前提にお付き合いしてください!」 まこ「きょ、京太郎…あんたそんなにわしのことを…」 まこ「すまんがわしには心に決めた人がおるんじゃ」 京太郎「そ、そうですか…」 京太郎「失礼じゃなかったらその…誰とか聞いてもいいですかね?」 まこ「まあ、いずれは話すつもりじゃったしのう」 京太郎「まさか染谷先輩、あの噂は・・・」 染谷「ああ、そうじゃ・・・」 京太郎「そうですか・・・。でも・・・それでも俺は・・・」 染谷「すまんのう、京太郎・・・。さよならじゃ・・・」 京太郎「・・・・・・・・・・・・」 咲「京ちゃん! 染谷先輩と一体何してたの!」 京太郎「あ、さ、咲か…」 京太郎(…染谷先輩、咲のことが好きなんだよな…) 京太郎「…咲と染谷先輩って、どんな関係なんだ?」 咲「えっ、染谷先輩はいい先輩だけど、どうかしたの?」 京太郎「最近ずいぶん仲がいいけど、何かあったのかなって」 咲「うーん、確かによく休日遊びに誘われたりしてるけど…」 咲「そういえば染谷先輩って私服がすごくお洒落なんだよね。出かけるときはコンタクトだし」 咲「待ち合わせで一時間遅れても「今来たとこじゃけえ」って言って許してくれるし」 京太郎「そ、そうなんだ」 咲「それでいつもお弁当持って来てくれるんだけど、料理も凄く上手なんだよね」 咲「わたしも先輩みたいに素敵な先輩になれるよう頑張らなきゃって思っちゃった」 京太郎(俺の知らない先輩の一面…ほんとに咲のことが好きなんだな…) 京太郎「…そっか。染谷先輩はすげえ人だもんな」 咲「うん…って結局京ちゃんは何してたの?」 京太郎「…なんでもねえよ、ちょっと麻雀教えてもらってただけさ」 咲「ふーん」 京太郎「…ちょっと俺、用事あるから行くわ。じゃあな、咲」 咲「うん。また明日ね」 京太郎(…咲のやつ、幸せ者だなあ) 京太郎(…染谷先輩、咲とうまく行くといいですね) ~~~~ ガサガサ 久「まこが…咲のこと好きですって…」 久(お洒落? コンタクト? お弁当? あんたそんな健気な子じゃなかったじゃない…) 久(…いつもなら面白がるところなのに、なんかぜんぜん楽しくない)ズキズキ 久(一年のときあれだけ一緒に居たから、てっきり私のほうを向いてると思ってたのに、まさか咲とだなんて…) 久(私、まこのことが好きだったかな…) 久(考えてても仕方ない! まあ、こういう悪条件のほうが私向きだしね。後悔しないうちに行動しなきゃ!) 和(あのワカメ…私の咲さんを休日に独り占めですって? そんなオカルトあり得ません!) 和(咲さんもまんざらでもなさそうだし…私の百合レーダーが黄色信号を出してます) 和(幸い咲さんはまだ恋愛感情には発展してないようですし…) 和(染谷先輩は他人思いだし、咲さんにその気がないと知ったら静かに身を引きそうです) 和(となれば対策としては…) ~~~~ モブA「ねー知ってるー? 宮永さんと原村さんってデキてるらしいよー」 モブB「あああの二人? 確かによく一緒にいるし、見栄えもするからそういう噂あってもおかしくないよね」 モブA「私の後輩の友達がさ、放課後にふたりで胸のさわりっこしてるの目撃したってさー」 モブB「へー。まあ最近じゃ女同士なんて珍しくないもんね。見せつけてやろうとしたんじゃないの?」 モブA「あたしたちももっと見せ付けてやろうよー」 モブB「や、やめなってこんなところでー」 ~~~~ 和(ふう…どうやら風説の流布作戦はうまく行ってるようですね) 和(正直ちょっと危険ですけど、手段を選らんでいられる段でもなさそうですし、これを機に咲さんが私を意識してくれるかも、なんて//) ~~~~ ワーワー キャーキャー 染谷(…咲…) 染谷(…) 和(よし…染谷先輩の沈みようを見るに、効果はあったようですね) 久「あーらまこったら、なんか元気ないじゃない?」 久(こないだ和が流してた『咲和こそ正義です!』の噂がちょっと聞いてるのかしら) 久(ちょっと良心が痛むけど、これってチャンスかもね!) 染谷「別に、なんもないぞ」 久「そう? 悩みがあったら相談に乗るわよ」 染谷「…ああ、今度な」 ガラガラ 咲「あ、みんな」 和「咲さん、こんにちは」 京太郎「おー、咲か」 染谷「ああ、咲」 咲「先輩…どうしたんですか、元気ないですよ?」 染谷「な、なに。ちょっとカープがCS逃して落ちこんどるだけじゃけえ、大丈夫じゃ」 咲「あー…惜しかったですよね。今年」 久「咲もずいぶん遅かったけど、何かあったの?」 咲「あ、そうそう聞いてくださいよ! さっき廊下ですごい大人数に絡まれちゃって!」 咲「『宮永さんは原村さんと付き合ってるの?』ってすごい聞かれて…噂になっちゃってるみたいで」 和「!」 久「!」 京太郎「!」 染谷「…」 京太郎(まこ先輩……)
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番外編 京太郎と淡 京太郎「ふぅ…流石に一月の夜は冷えるな」 淡「そうだね…ねえ京太郎、もうちょっとだけそっちに寄っていい?」 京太郎「今回だけだぞ」 ダキ… 淡「やった!京太郎は温かい…」 京太郎「淡は相変わらず冷たいな」 淡「私は冷たくてもいいの。京太郎が温めてくれるでしょ?」 京太郎「そうだな…でも俺が暖かく成りたかったらどうすればいいんだ?」 淡「その時はまたこうやって抱き合って、毛布でまるまれば完璧だよ!」ドヤぁ 京太郎「…それも悪くないな。あっ、流れ星!」 淡「えっ、嘘どこ!?」 京太郎「ああ…消えて行った」 淡「うぅ…京太郎は何かお願いしたの?」 京太郎「したぞ」 淡「なんてお願いしたの?」 京太郎「…秘密だ」 淡「えー、ずるいよ京太郎!」 京太郎「聞いたら笑うから絶対に言わない」 淡「笑わない、絶対に笑わないから!」 京太郎「…また淡と星見にこれますようにって願ったんだ」 淡「えっ?」 京太郎「だからまた淡と星見ができるようにって願ったんだよ」 淡「ふふ…あははは!」 京太郎「だから言いたくなかったんだよ!」 淡「ご、ごめん、ごめん。だってそんな当たり前のこと…」 京太郎「……」プクぅ 淡「京太郎、こっち向いて」 京太郎「……」振り向く チュ… 淡「また二人だけで来ようね、星見に」 カン!
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永水女子高校- 小蒔「……」ドキドキ 初美「あ、姫様 それロンですー」 小蒔「ええ!?」 初美「8000いただきますよー」 小蒔「は、はい…お疲れ様でした…」 霞・初美・春「お疲れ様でした」 巴「今日も姫様がが最下位ですね」 小蒔「か、霞ちゃん…」 霞「小蒔ちゃん、気の毒だけど、ルールはルールだから…」 小蒔「うぅ…」 霞「今日も小蒔ちゃんはおやつ抜きね」 小蒔「」ガーン 巴「今日で一週間、続けておやつ抜きですか」 霞(県予選までの間に 神様を降ろさない素の小蒔ちゃんを強化したくて始めた罰ゲームだけど…なかなか上達しないわねえ) 小蒔「春ちゃぁん…」ウルウル 春「…ポリポリ」チラッ 霞「小蒔ちゃん、もちろん黒糖もダメよ?」ニコッ 春「と、いうわけなので」ポリポリ 小蒔「うぅ~」グスン 霞(心を鬼にしないと…) 夜、小蒔の部屋- 小蒔「…」グゥ~ 小蒔「お腹がすきました…」 小蒔「朝昼夕三食だけじゃ足りないよぉ」 小蒔「でも六女仙を従える巫女として買い食いなんてできませんし…」 小蒔「甘いものが食べたい…別腹が空っぽです」グスン 小蒔「霞ちゃん…どうしてこんなひどい罰ゲームなんて作ったんだろう…」 小蒔「わかってる…神様を降ろせない時でも最低限戦えるくらいに私を鍛えるため…だけど…」グゥゥ 小蒔「お腹すいたよぉ…」 小蒔「霞ちゃんなんて…霞ちゃんなんて…」グスッ 小蒔「きらい…」 ボンッ 鬼巫女「……」 鬼巫女「……」テテテテテ 朝- 霞「小蒔ちゃん、起きてるかしら?そろそろ学校に…」 霞「…小蒔…ちゃん…?」 その日、神代小蒔は鹿児島から姿を消した―――― ついでに神代家の冷蔵庫の中身も――― 長野- 和「ロンです、7700」 京太郎「なんですとーーー!?」 和「須賀君…それは明らかに危険牌じゃないですか、不用心すぎます」 優希「おい犬!最下位の罰だじょ!学食でタコス買ってこーい!」 京太郎「はいいいいいい!」 咲「京ちゃん…」 京太郎「ちっくしょー、あの三人相手じゃまるで勝てる気がしないぜ…」 京太郎「東場の時点で優希に絞られて、いけると思ったら咲に鳴かれて嶺上嶺上…」 京太郎「あいつらに勝てる自分が想像できない…はは、泣きそうだ…」 京太郎「こんなんで俺、個人戦で生き残れるのかな…体力ばかりついてくぞ…」 京太郎「あれ?学食が閉まってる?おかしいな まだ閉店時間じゃないはず…」 京太郎の友達らしきモブ「おう京太郎 学食なら今はやってねーぞ クックック」 京太郎「なんでだよ!?これじゃ町までタコス買いに行かなきゃならねーじゃねーか!」 京太郎の友達らしきモブ「俺もよく知らんけどさ、噂によると食材が何者かに盗まれたんだとさ、クックック」 京太郎「マジかよ・・・食材泥棒なんて今のご時世いるのか…?」 京太郎の友達らしきモブ「学食はあきらめろ、じゃーな 部のパシリ頑張れよ!クックック」 京太郎「ちくしょおおおおおおおおおおお誰だよお前ええええええええ」 街- 京太郎「た、タコス…4つ、いや6つください」 店員「ぁありゃしたー!!」 京太郎「ふう、なんとか入手できた…早く帰らないと優希にドヤされるぞ」 京太郎「それもこれも、なんもかんも泥棒が悪い!もし俺の前に出てきたらとっ捕まえて警察に突き出してやる!」ゴゴゴゴ キャードロボウヨーダレカー 京太郎「わお」 京太郎「言ったそばからこれか!この怒りを泥棒にむごたらしくぶつけてやる!」 京太郎「待ちゃあがれぃ!おめえの悪行!お天道さんが許してもこの俺が!」 鬼巫女「っ!!」テテテテテテテ 京太郎「な、なんだありゃ!?人?いや動物か!?」 京太郎「と、とにかく捕まえる! ってはえええええ!!?」 京太郎「だがしかし!部活(パシリ)で鍛えた俺の脚力をなめるなよ!アイシールド21もびっくりだぜ!」 京太郎「だらっしゃあああああとったどーーー!」 鬼巫女「っ!!」ジダバタ 京太郎「こら、暴れんな!盗ったもんを返すんだ!」 ―― 京太郎「よかったな、許してもらえて」 鬼巫女「…」ショボン 京太郎「しかしお前、ほんとになにもんだ?子供…にしちゃ小さいし、角生えてるし、巫女服か?それ」 京太郎「どこから来たんだ?帰るところあるのか?家族とか…」 鬼巫女「っ……」ジワ 京太郎(ワケありか…) 鬼巫女「……」グウゥゥゥ 京太郎「んで、腹減ってんのか」 京太郎「とりあえずこれ食えよ うまいぞ」 鬼巫女「…?」ビクビク 京太郎「たくさんあるから一個くらいはくれてやるよ いらないんなら俺が食っちまうぞ?」 鬼巫女「…!」ムシャムシャムシャ 京太郎「はは、すげえ食いっぷり 腹減ってたんだなー」 鬼巫女「…!…!」ペコペコ 京太郎「いいっていいって気にすんな そんでさ お前、これからどうするんだ?行くあてでもあるのか?」 鬼巫女「……」ショボン 京太郎「ないのか… んー、だったらさ」 鬼巫女「?」 優希「遅いじょ犬!」 京太郎「悪い悪い 学食が閉まってて街まで買いに行ってたんだよ ほら、みんなの分もあるぞ」 咲「わあ、ありがとう京ちゃん」 京太郎「あー…それでさ みんなに相談したいことがあるんだよ」 和「相談?」 京太郎「皆の家でさ ペットっつーか…その、家族が一人増えても大丈夫ってとこはないか?」 咲「そんな家、あるほうが珍しいと思うけど…?」 優希「なんだ?犬でも拾ってきたのか?犬のくせに生意気だじょ!」 京太郎「犬っていうか、鬼っていうか巫女っていうか……」 和「??? 意味がわかりません」 京太郎「だよな…ま とりあえず見てくれよ おーい、入ってこいよ」 鬼巫女「……」ビクビク 和「きゃあああああああ!! なんですかこれはーー!?」 京太郎「実はかくかくしかじかで…」 咲「そっか…行くところがないんだね」ナデナデ 鬼巫女「……」ショボン 京太郎「なんかほっとくのもかわいそうになっちまってさ」 咲「京ちゃん…」 和「すみませんがうちは父が生き物…?は苦手で…連れて帰るのは難しいかと…」 優希「うちも無理だじぇー」 咲「私も…ちょっと難しいかな」 京太郎「そっか…」 咲「ごめんね、京ちゃん」 バンッ ??「話はきかせてもらったわ!!」 京太郎「うわ部長!いつから聞いてたんですか!?」 久「全部聞いてたわ、なかなかおもしろいのを拾ってきたわね~ 須賀くん?」 まこ「ほほ~確かに巫女で鬼じゃのう、服も…おぉう!ちゃんと脱げるんか!?」 鬼巫女「~~~っ!!」ジタバタ 京太郎「部長はどうですか?こいつ、連れて帰るわけには…」 久「悪いけどうちは無理ね~ それほど大食いだとちゃんと世話できる自信ないわ」 まこ「うちも雀荘じゃし…食べ物も扱うからペットは無理じゃのう」 京太郎「そうですか…」 久「あなたが拾ってきた子なのよ?須賀くんが責任もって連れて帰るのが筋だと思うけどねえ」 京太郎「うーん うちにはもうカピバラがいるんですよね…この部室でってわけには…」 咲「京ちゃん こんなところに置いておくのはかわいそうだよ…」 京太郎「だよな…」 鬼巫女「…」シュン 京太郎「そ、そんな顔すんな!わかったよ、部長の言うとおり ここまで連れてきた俺に責任がある!嫌じゃなければうちに来い!」 鬼巫女「…!」パアア ひしっ 優希「おおう、すっかり京太郎になついてるじぇ」 咲「ねえ京ちゃん、ところでこの子 名前はあるの?」 京太郎「名前…そう言えばなにも考えてなかったな」 和「あなた、お名前はあるんですか?」 鬼巫女「…!」テテテテ ピョンピョン まこ「ホワイトボードの前でジャンプし始めたぞ」 久「須賀くん、だっこしてあげなさいな」 京太郎「はい ほら、ペン持てるか?」 和「それより、字が書けるんですかその子…」 鬼巫女「~~♪」 「コマキ」 須賀家- 京太郎「ふう…なんとか家族も説得できてよかった、小遣いが減らされちまったのは痛いが」 ※説得シーンはワカメがキンクリしました コマキ「…」グウゥゥ 京太郎「もう腹減ったのか?夕飯までまだ時間あるし…ほら、ポッキーでも食っとけ」 コマキ「!!!」パアアアアアアア 京太郎「しかし本当によく食うな…食事代はマジで覚悟しておいたほうがいいかも…」 コマキ「♪」ペカー ポテ 京太郎「あれ?まだ残ってるぞコマキ?」 コマキ「♪」ブンブン 京太郎「満足したのか…?もしかしてコマキの主食って…お菓子?」 京太郎「た、助かった…かもしれん」 コマキ「♪」ゴロゴロ 京太郎「やれやれ、のんきな奴だな さて、俺は夕飯までネトマでもやってるか」 PC「ロン リーチタンヤオピンフドラ8000」 京太郎「うがああああああやっちまったああああああ…だって!俺も聴牌してたんだもんんんんん!」 京太郎「も、もう駄目だ…まくるには次のオーラスで倍満は出さないと…」 コマキ「…」テテテテ ピョン 京太郎「うぅ…コマキ…見ないでくれ、こんな俺の体たらくを…」グスン コマキ「……!」ペカーーーー PC「南四局」 京太郎「配牌は…え?な、なんか筒子がやけに多いな…」 PC「ツモ 清一色 三暗刻」 京太郎「な、何いいいいいいいいいいいいいいい!?」 永水- 巴「か、霞さん 元気を出してください 姫様もきっとすぐに見つかります…」 霞「えぇ……そうね」 霞(小蒔ちゃん…どこへ行ってしまったの…) 初美「霞さん……」 霞(あの子を強くしたい一心で…傷つけてしまっていたのね…また会えたら謝らないと…) 霞(昔から お菓子が大好きだったものね…) 春「……」スック 初美「はるる?どこに行くんですかー?」 春「…電話、人探しが得意な人に心当たりがある」 春「…霞、元気出して… きっとお姉ちゃんがみつけてくれる」 ~ひとまずカン~
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1340330097/ [すこやん視点] すこやん「うーんオフの日が晴れてよかったー」ノビー すこやん「こんな日はボーっとしながら散歩が一番だよね」 すこやん「・・・独り言が増えたのは齢をとったからなのかなぁ・・・」 ドン ?「あっすみません」 すこやん「いえ、こちらこそ(わ、イケメンさんだ)」 京太郎「あれ・・・もしかして小鍛冶プロじゃないですか!?」 京太郎「うわぁー感激だな!僕プロに会うの初めてなんですよ!」 すこやん「はぁ・・・」 京太郎「サインお願いしてもいいですか?」 すこやん「えあっ!?あ、はいサインですね」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「(髪乱れてなかったかな)」ササッ 京太郎「?」 すこ「はいどうぞ」 京太郎「ありがとうございます!部活のみんなに自慢できますよー!」 すこ「君は麻雀部員?」 京太郎「はい!清澄高校の麻雀部所属です!」 すこ「清澄って・・・ああ長野代表の」 京太郎「はい!今年は晴れてインターハイ出場と相成りました!」 すこ「・・・あれ?でも今年清澄が全国に出たのは個人でも団体でも女子だけじゃ・・・」 京太郎「それは・・・俺がふがいないばかりに・・・」ズーン すこ「ああっごめんね」アセアセ 京太郎「いえ・・・僕に実力がないのは本当ですから・・・」 すこやん「あの・・・」 京太郎「だからこれから絶対に強くなるんです!」 京太郎「サインありがとうございました。なんだか少し強くなれたような気がします!」 すこやん「はぁ・・・ならよかったです」 京太郎「では用事があるのでこれで失礼します」 京太郎「ありがとうございました」ペコリ タタタタ すこやん「行っちゃった・・・」 すこやん「礼儀正しい子だったなあ」 すこやん「しかもすごいイケメン」 すこやん「・・・態度とかおかしくなかったかな」 すこやん「(あれぐらいじゃ恋愛経験ないことばれないよね?)」 すこやん「・・・・・・彼女とかいるんだろうなあ」 すこやん「部活に恋愛に精を出す男子高校生」 すこやん「一方小鍛冶健夜(アラサー)は」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「(う・・・なんだか胸の辺りがキリキリしてきたよ)」 すこやん「・・・今日は飲もうかな」 すこやん「・・・ホントに独り言増えたなぁ」ハァ 後日 AD「~という感じになりあっす。では準決勝からは解説よろしくお願いしゃっす」 すこやん「はいよろしくお願いします」 こーこ「んじゃあ明日からよろしく!」 すこやん「うん、よろしくねこーこちゃん」 すこやん「(・・・今日は清澄の初戦)」 すこやん「・・・」キョロキョロ こーこ「どったの?」 すこやん「ううん別に」 こーこ「これからどうするー?まだお昼まで時間あるけどどっか遊びいっちゃう?」 すこやん「ううん。私はインターハイの試合見て行くから」 こーこ「そっかーすこやんは勉強熱心ですなぁー!」 すこやん「私一応プロだから・・・ってこーこちゃんもちょっとは勉強しないと駄目だよ?」 こーこ「流石小鍛冶プロ!アラフォーは仕事に関しては厳しい」 すこやん「普通だよ・・・ってアラサーだよ!」 こーこ「しかし恋愛に関しては中学生も真っ青なウブさであった」 すこやん「ちょっ」 こーこ「んじゃあ私も原稿のチェックしとこうかなー」 こーこ「グッバーイ」ヒラヒラ すこやん「まったくもう・・・」 すこやん「・・・恋愛に関しては中学生」 すこやん「・・・」 すこやん「・・・試合見よう」 休憩所 すこやん「第一試合・・・清澄高校と千代水高校・・・それと能古見と甲ヶ崎商業か」 すこやん「インターハイ初出場は清澄だけか」 すこやん「・・・大丈夫かな」 すこやん「いや、別に清澄を心配してるわけでは・・・」 京太郎「あれ?小鍛冶プロじゃないですか?」 すこやん「はいっ!?」ビクン 京太郎「あ・・・びっくりさせちゃいました?」 すこやん「あ・・・え?あ・・・」バクバク 京太郎「この前サインいただいたんですけど・・・」 すこやん「あ・・・」ドキドキ 京太郎「・・・覚えてないですよね、失礼しました」ソソクサ すこやん「覚えてましゅっ!」 京太郎「え」 すこやん「(噛んだー!)」 京太郎「っあははは!良かったぁ!覚えててくれたんですね」 すこやん「あ、はい、普通に覚えてます・・・」カァァ すこやん「清澄の方ですよね・・・」 京太郎「はい。この試合ですね」 すこやん「はい・・・」 京太郎「よーし頑張れよ優希ー!」 すこやん「この片岡選手はホントにすごいですね・・・東場では全国でも上位に入る火力を持っています」 京太郎「え?あいつそんなにすごいんですか?」 すこやん「ええ、これほどの火力は各校のエースクラスだと思います」 京太郎「おお・・・あの小鍛冶プロに褒められるなんてすごいな優希は」 すこやん「(優希・・・呼び捨て・・・)」 すこやん「あの、ちょっと聞いていい?」 京太郎「はい?」 すこやん「清澄は麻雀部員がすごく少なかったと思うんだけど・・・男性は何人いるの?」 京太郎「僕だけですよ?」 すこやん「えっ一人!?」 京太郎「だから大変なんですよ実際・・・今もお使いの帰りなんです」ハハ・・・ すこやん「そっか・・・」 京太郎「ははは・・・」 すこやん「じゃあ頑張ってる君にジュースを奢ってあげる」 京太郎「ええ!?そんな申し訳ないですよ!」 すこやん「いいから好きなの言ってー」 京太郎「あ、じゃあ・・・ポカリで・・・」 すこやん「ん」 すこやん「はいどうぞ」 京太郎「ありがとうございます・・・」ゴクゴク 京太郎「っぷはあ、生き返った~」 すこやん「あはは」 アナウンス「先鋒戦終了~五分の休憩の後に後半戦を開始します」 京太郎「うわやばっ!」 すこやん「どうしたの?」 京太郎「あいつに、優希にタコス届けないといけないんですよ!」 京太郎「すみません、お先に失礼します!」 タタタタ すこやん「行っちゃった・・・」 すこやん「なんか・・・話してみると結構なんともなかったな」 すこやん「むしろなんだかおかしな人だったな・・・イケメンなのに」クスクス すこやん「あ、また名前聞くの忘れたちゃった」 タコス「遅いぞ犬ー!」 京太郎「いやスマンスマン!そこでまた小鍛冶プロに会っちゃってさ・・・」 タコス「なぬ?貴様また一人抜け駆けか!」ガジガジ 京太郎「いててててて!俺じゃなくてタコスを食えって!」 タコス「まったく犬のくせに生意気なんだじょ・・・」モグモグ 京太郎「じゃあ俺は控え室戻るけど・・・」 京太郎「後半戦も一発かましてやれよ!」 タコス「おう!」 京太郎「・・・まだいるかな」ダッ 関係者控え室 AD「言ってくれればあんなところで待たせませんでしたのに!」 すこやん「いえ・・・今日は私解説の仕事も入ってないですから」 AD「いえいえ!今回小鍛冶プロの解説は目玉ですから!丁重におもてなしさせて下さい!」 すこやん「そうですか。ではお言葉に甘えて・・・」 AD「じゃ、何かあったらそこの電話で呼び出して下さいね」 バタン 休憩所 京太郎「・・・いないか」ハァハァ 京太郎「別の部屋に行っちゃったかな?」 京太郎「・・・・・・」 京太郎「少し待つか」ヨイショ 京太郎「小鍛冶プロ・・・」 京太郎「・・・」 京太郎「綺麗な人だったな」 すこやん「恋愛は中学生並み・・・か」 すこやん「(麻雀ばっかりやってきたもんね・・・私・・・)」 アナウンス「ではこれから先鋒戦後半戦を開始します」 すこやん「ふぅ」 すこやん「よし・・・頑張るぞ」 アナウンサー「清澄高校中堅・竹井久!連荘六本場でハネ直炸裂!副将にまわすことなく1回戦突破だーッ!!」 京太郎「・・・」 京太郎「・・・結局・・・戻って来なかったな」 京太郎「あ」 京太郎「ポカリ・・・まだ残ってた」 [すこやん視点終わり] [京太郎視点] 京太郎「ったくあのタコス娘試合の日でもないのにパシリに使いやがって・・・」 京太郎「と言っても女子だらけのあの場所に居場所もないんだけどな・・・」 京太郎「さっさと持っていかないと怒られ」 ドンッ ?「キャッ」 京太郎「あっすみません!」 ?「いえ、こちらこそ」 京太郎「あれ・・・もしかして小鍛冶プロじゃないですか!?」 すこやん「はぁ・・・」 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「うひょひょー小鍛冶プロからサイン貰っちゃったよ!」 京太郎「めっちゃ自慢しよう。タコス娘に見せびらかしてやる」 京太郎「・・・すげー可愛い人だったなー」 京太郎「なんかいいにおいしたし、肌がしっとりしてたし」 京太郎「須賀京太郎、始めての彼女は年上の女性でした」キリッ 京太郎「なーんてないない」ハハハ 京太郎「・・・はぁ」 ──────────────── 始める前に なぜオフの日にすこやんは咲たちの宿泊するホテル付近に来ていたのか!? 説明しよう!アラフォーはインハイに向けてのなんやかんやで実家から東京に出てきていたのだ! 付近のホテルに宿泊していた! そしてオフの日が出来たが運営側が気を利かせてその日もホテルを取っていてくれたのだ! ──────────────── 京太郎「ただいまー」 咲「おかえり京ちゃん」 タコス「遅いじょー」 京太郎「いやそれがさ、帰りに小鍛冶プロと会ったんだよ」 タコス「なぬ!?」 和「本当ですか!?」 咲「・・・誰?」ポヘ 久「あらあら」 ワカメ「そりゃあないんじゃないかの」 咲「えっ・・・有名な方なんですか?」 和「有名も何も史上最年少で8冠達成した方ですよ」 ワカメ「女子プロ最強・・・って煽りも何度つけられたか分からんのう」 咲「そ、そうなんだ」 京太郎「しかもサインもらったんだ」ジャン タコス「なにー!?」 久「ちょっとうらやましいわね」 京太郎「エヘヘヘヘ」 タコス「犬にそんな祝福が訪れるなど許せん!」ガブ 京太郎「いてえ!」 咲「・・・その人どんな人だったの?」 京太郎「どんな人って・・・」 京太郎「可愛い人だったよ」ニヘラ 咲「ム!」 ワカメ「鼻の下伸ばしすぎじゃあ」 久「ほらね、雑用だって捨てたものではないでしょう?」 久「だからこのサインは必勝祈願としてウチの控え室に飾っておきましょう」ヒョイ 京太郎「え」 一同「さんせー」 京太郎「ぶ、ぶちょ~」 咲「鼻の下伸ばしてた罰だよーだ」ベー その晩ホテルの部屋 京太郎「はぁ・・・せっかくのサイン・・・・・・」クスン 京太郎「・・・・・・でもホントに可愛いらしい人だった」 京太郎「俺より十個も年上なのにな」ハハ 京太郎「・・・」 京太郎「今夜は満月か」 清澄初戦の日 久「さあーついに初日が着たわよ」 久「頑張らなきゃね!」 一同「オー!」 久「あ、須賀君は変わらず雑用をお願いね」 京太郎「はい・・・」 (中略) 京太郎「というわけで今日も今日とて雑用に従事する須賀京太郎であった・・・」トボトボ 京太郎「ん?」 すこやん「~」ブツブツ 京太郎「あれ・・・小鍛冶プロ?」 京太郎「俺のこと覚えてたりして・・・」 京太郎「よ、よし偶然通りかかって小鍛冶プロを発見した、というシュチュで行こう!」 京太郎「・・・我ながら気が小さい」 すこやん「いや、別に清澄を心配してるわけでは・・・」ブツブツ 京太郎「あれ?小鍛冶プロじゃないですか?」 すこやん「はいっ!?」ビクッ ~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「いや~今回は何か前より交流が深まった気がするな!」 京太郎「飲み物も貰えたし」チャプン 京太郎「ヘヘヘ」 京太郎「よーし待ってろよタコス娘ー!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「後半戦も一発かましてやれよ!」 タコス「おう!」 京太郎「・・・まだいるかな」ダッ 京太郎「・・・なんか」 京太郎「本気でまだいて欲しいな」 休憩所 京太郎「・・・いないか」ハァハァ 京太郎「別の部屋に行っちゃったかな?」 京太郎「・・・・・・」 京太郎「少し待つか」ヨイショ 京太郎「小鍛冶プロ・・・」 京太郎「・・・」 京太郎「やっぱり綺麗な人だった」 京太郎「髪の毛つやつやだったし・・・」 京太郎「手が小っちゃくて指細かったな」 京太郎「ああ見えて実は結構おっぱいがあることも見抜いてしまった」フフン 京太郎「・・・我ながら変質者のようだ」 アナウンサー「さあー清澄の先鋒片岡優希!後半戦も凄まじい火力で他家を圧倒ー!」 京太郎「お、タコス娘絶好調だな」 京太郎「この調子だと大将までにどっか飛んじゃうんじゃないか」ハハハ 京太郎「・・・・・・・・・ちょっとは手加減してもいいんだけどな」 関係者控え室 アナウンサー「清澄高校中堅・竹井久!連荘六本場でハネ直炸裂!副将にまわすことなく1回戦突破だーッ!!」 すこやん「すごいなあ伊達にあの龍門渕を抑えた高校じゃないね・・・」 すこやん「・・・喉渇いたな」 すこやん「電話・・・」 すこやん「いいや、自分で買いに行こう」 休憩所 すこやん「(まあ当然もういないよね)」 すこやん「なんにしよっかなー」 すこやん「・・・ポカリにしよっと」ポチッ ガタン [京太郎視点終了] [すこやん視点] すこやん「こーこちゃん?もう朝だよ起きて」ユサユサ こーこ「んあー?はれ~すこやんだ~」 すこやん「何寝ぼけてるの。こーこちゃん昨日私の部屋に泊まったんだよ」 こーこ「あ~そうだったっけ~」 こーこ「えーと・・・昨晩はすこやんと一緒に酒みに行って・・・二件目行って・・・」 こーこ「その後の記憶がないや」 すこやん「そんなので大丈夫なの?声」 こーこ「プロですから(美声)」 すこやん「おお・・・」パチパチ こーこ「変なことしてないよね?」イヤン すこやん「してません」 こーこ「すこやんだったらいつでもカモンだけどね!」 すこやん「逆に色気ないよそれ・・・」 こーこ「んじゃーさっさと準備して行きますかー!」 ブオー すこやん「今日は三尋木プロと針生アナ拾ってから行くんだよね」 こーこ「そーだよー」 キキー すこやん「おはよう咏ちゃん、針生さん」 咏「おはようございます」 針生「よろしくお願いします」 こーこ「おはようございますー」 こーこ「では出発ー」 すこやん「咏ちゃん雑誌みたよ。すごいね、表紙飾って」 咏「いえ・・・小鍛冶プロに比べたらまだまだですよ」 針生「小鍛冶プロの前では妙におとなしいですね」 咏「知らんし」 こーこ「そういえばさーすこやんの初恋って誰?」 すこやん「ちょっ、何で唐突にそういうこと聞くかな!」ブハァ こーこ「えーいーじゃん教えてよー運転中って暇だしさー」 すこやん「運転に集中してよ・・・」 こーこ「で、誰なの?」 針生「私もちょっと興味ありますね」 すこやん「・・・大沼プロだよ」 こーこ「え?あのおじいさん?」 咏「いつ頃ですか?」 すこやん「いつ頃って・・・うーん小学3年生くらいのときかな」 針生「ぶほぉっ!渋いですね」 すこやん「ちょ、笑わないでよ」 こーこ「となるとだいたいにじゅう・・・」 すこやん「あー!あー!こーこちゃん!前見て前」 こーこ「はいはい」 咏「あの頃の大沼プロですっごいかっこよかったんだよねー」 針生「そうなんですか」 すこやん「うん・・・まだ髪もふさふさですごいダンディだった」 咏「確かにあの頃は渋いオジさまだったんだよねー」 すこやん「しかもすっごい強かったんだよ」 咏「バリバリのオカルト派で・・・あの人のホンイツ理論は未だに分かんねー」カラカラ 針生「やっぱりプロのお二人はその頃から麻雀やってたんですね」 すこやん「うん私は幼稚園年長の頃には牌に触ってたから」 針生「なが!」 こーこ「つまり麻雀初めてもうにじゅう」 すこやん「こーこちゃん」 こーこ「着いたよー」キキー すこやん「もう・・・!」 すこやん「(そうだよ・・・あれから私恋してないんだよね・・・)」 ネトラジ<モウ…! 妹尾「すこやんの趣味は渋めのオジサマみたいですね」 むっきー「うむ」メモメモ 針生「というわけで第2シードブロック一回戦勝ち抜けは奈良の阿知賀女子!」 咏「先鋒の松実玄が今後勝ち抜けるかの鍵を握るんじゃないかなー知らんけど」 針生「ではみなさんまた明日お会いしましょう」 関係者控え室 すこやん「終わった・・・」 すこやん「今日はやたらと短い試合展開になったな」 すこやん「・・・街にでも出てみようかな!」 東京のどっか 京太郎「今日は試合がない日だというのにやっぱり買出し係・・・」 京太郎「はぁ・・・俺もみんなと東京観光したかったなぁ」 京太郎「・・・なんか最近あんまり和や風越のキャプテンさんで妄想することがなくなったな」 京太郎「(代わりに・・・)」 すこやん「あれ・・・須賀くん?」 京太郎「小鍛冶さん!?」 京太郎「あ、あれ、今日は解説のお仕事ないんですか?」 すこやん「うん、今日はまだ私の解説日じゃないから・・・って汗すごいよ!?」 京太郎「え?いやいや全然汗かいてないですよ!こんな余裕のよっちゃんですよ!」ハハハ すこやん「よっちゃん・・・?」 京太郎「(まずい!妄想してた相手が突然現れてしかも・・・)」 すこやんの格好 ショートパンツ(素足+メッシュブーツ)、薄手のタンクトップ、以上 京太郎「(露出が多い!!)」フンガー すこやん「(あれ・・・なんだかリードできそう)」 すこやん「(・・・・・・お姉さんっぽいことしてみたいかも!)」 すこやん「須賀くん、ホントに汗がすごいからそこの喫茶店で少し休もう?」 京太郎「はぁ・・・」 すこやん「ほらほら早く早く」グイグイ 京太郎「(手が・・・手が柔らかい!)」 おしゃれな感じの店 京太郎「う、うわこういうところ初めて入りました」 すこやん「へー須賀くんってこういうところ来たことありそうだけどね」 すこやん「君、イ、イケメンだし(これを言える辺りが大人の余裕)」ドヤ 京太郎「イケメン?」 ― ―― ――― スコン 京太郎「んが?」 教師「こら須賀ーぐっすりお休みしてるんじゃないぞー」 女子「須賀クンかわいー」クスクス 京太郎「(可愛い?)んあ・・・すみません」 教師「麻雀部全国進出って言っても女子だけだろーが」 クラス一同「ドッ」 京太郎「ぐう・・・俺も日々重労働を強いられているというのに」 休み時間 女子A「えー須賀くんパシリにされてんのー」 京太郎「うっ・・・そうストレートにいわれるときついけど・・・まぁ」 女子B「えー須賀くんちょー可愛そう」 女子C「もったいないよー須賀くんかっこいいのにー」 京太郎「そうか?」 女子A「そうだよー麻雀部のマネージャーやめて水泳部のマネージャーになってよ」 京太郎「俺はマネージャーじゃない!仮にも部員の一人なんだってば!」 女子B「ムキになったー」 女子C「ちょーかわいー」ナデナデ 京太郎「やめろっつーの!」 ――― ―― ― 京太郎「ああもしかしたら俺ってイケメンなんですかね」 すこやん「・・・え?」 京太郎「え?」 すこやん「あははははは!須賀くんって面白いこというね!」 京太郎「へ?そ、そうですか?」 京太郎「(なんか知らんけどウケた・・・)」 すこやん「うん、須賀くんはイケメンだと思うよ、お姉さんはね」クスクス 京太郎「そ、そうですか」 すこやん「(よし!かなりすんなりイケメンって言えた!)」 京太郎「でもそんなこと言ったら小鍛冶さんだってすごい可愛いと思いますよ」 すこやん「・・・へ?」 京太郎「可愛いと思うっていうか可愛いっていうか・・・10人の男に聞いたら10人可愛いっていうと思いますよ」 すこやん「え・・・あ・・・そ、そう」カー 京太郎「いや女の人もそういうんじゃないかな・・・多分みんな可愛いっていう・・・うん言うな」 すこやん「あ、も、もーいーよ須賀くん、お世辞は・・・」マッカ 京太郎「いやお世辞じゃないですって!なんなら後ろの席の人に聞いて見ましょうか?すみませーん・・・」 すこやん「須賀くん!いーから!ホントにいーから!」アワアワ 京太郎「あ、そうですか・・・すみません熱くなってしまって」 すこやん「(熱く・・・)いえいえ」カッカッ 京太郎「・・・あれそういえば何で俺の名前知ってるんですか?」 すこやん「あ、それは部員名簿を見れば分かるから・・・」 京太郎「わざわざ調べてくれたんですか!」 すこやん「う、うんまあ・・・面識もあったしね・・・」 京太郎「あ・・・まあそうですよね」シューン すこやん「(な、なんなんだろうこの反応)」チュー 京太郎「(くそう一瞬期待した俺がバカだった・・・)」チュー 京太郎「(ん・・・イケメン?)あの小鍛冶さんってイケメン好きですか?」 すこやん「(きた!大人の女性の品格を試される質問!)」 すこやん「(ここで慌てたらいけない・・・大人の女性はこうクールに答えるはず・・・)」 すこやん「まあね。イケメンが嫌いな女性なんていないんじゃないかな?」ファサッ 京太郎「!!そうですか・・・」 すこやん「(やったか?)」 京太郎「(あ、あれだけ俺のことイケメンイケメン言っておいてイケメンが好きって・・・な、なんなんだろうこの反応)」カ- すこやん「(あれ?私あれだけ須賀くんのことイケメンイケメン言っておいてイケメンが好きって・・・)」 すこやん「!!」カ- 京太郎「・・・」チュー すこやん「・・・」チュー 京太郎「そ、そういえば小鍛冶さんはここら辺で何を?」 すこやん「えっ!?まあその、服でも買おうかなと思って」 京太郎「・・・そうですか」 すこやん「うん・・・」チュー 京太郎「も、もしよかったら」 すこやん「?」 京太郎「荷物持ち・・・入りませんか」 _____ ____ ___ すこやん「(た・・・た・・・た・・・)」 すこやん「(頼んでしまった!頼んでしまった!)」 すこやん「(やばい!変な匂いとかしないよね!?しないよね!?)」 すこやん「(こ、香水でもつけてくればよかった・・・)」ジワ 京太郎「(た・・・た・・・た・・・)」 京太郎「(頼まれてしまった!頼まれてしまった!)」 京太郎「(いや申し出たの俺だけど!)」 京太郎「(どうしよう・・・かなり汗臭いんじゃないか俺・・・?)」 京太郎「(ああ・・・エイトフォー持って来るんだった・・・)」クンクン すこやん「・・・」スタスタ 京太郎「・・・」スタスタ すこやん「(うう・・・会話が・・・)」 京太郎「(うう・・・可愛い・・・)」 すこやん「(会話会話会話会話会話会話会話・・・)」 京太郎「(可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い・・・)」 すこやん「あ、ここカワイ表参道だ」 京太郎「可愛い表参道!?」 すこやん「?いやカワイ表参道」 京太郎「あ、ああカワイ表参道」 すこやん「じ、じゃあここら辺で服探そうか・・・」 京太郎「あ、お任せします・・・」 店員「イラッシャセー」 京太郎「うわ・・・おしゃれな店・・・」 すこやん「そ、そうかな?」 京太郎「長野じゃこんなところ行かないですからね、金もないですし」 すこやん「まあそうかも・・・」 京太郎「(まずいぞ・・・もし店員がこっちに来て「彼女ですか?」とか聞かれたら・・・)」 すこやん「(どうしよう・・・店員さんがこっちきて「彼氏ですか・・・」とか聞かれたら・・・)」 京すこ「(対応できない!)」 店員「」スッ 京すこ「」スッ 店員「・・・」スッ 京すこ「・・・」スッ 店員「(こいつ・・・出来る!)」 京太郎「な、なんかあんまり落ち着いて買い物できませんね・・・」 すこやん「そ、そうだね・・・あ、これ買ったら出ようかな」 京太郎「へえ、可愛いですね」 すこやん「そ、そうかな」 京太郎「ええきっと似合うと思いますよ」 すこやん「・・・(あ、嬉しすぎても涙って出そうになるんだ・・・)」 店員「あのー」 京すこ「!?」 店員「ご姉弟でいらっしゃいますか?」 京すこ「」 店員「アリッシター」 京太郎「(やばい)」 すこやん「」ブツブツ 京太郎「(小鍛冶さんの目がやばい)」 京太郎「(小鍛冶さんは姉弟であること承諾し・・・)」 京太郎「(そしてなぜか暗黒面へ落ちていった・・・)」 京太郎「(なぜだ・・・「ご姉弟ですか?」は安牌じゃなかったのか・・・?)」 カァーカァーザワザワ 京太郎「(やばい・・・日も暮れてきたしなんか雑多な街の中へ・・・)」 すこやん「」ピタッ 京太郎「あ、あれ」 すこやん「須賀くん・・・ここ入ろうか」 京太郎「こ、ここって」 ピンクの建物「オッス」 京太郎「(どう見てもラブホー!)」 すこやん「どうする?ちょっと今の私すごいかも知れないけど・・・」 京太郎「(これは試されている?男として試されている!?)」 すこやん「須賀くんは何もしなくてもいいよ・・・私が全部やるから」 京太郎「(どうする・・・選択の時間はない!小鍛冶さんが今すぐ答えを欲しそうな目で見ている!)」 京太郎「(ええい・・・ままよ!)」 京太郎「行きます!」 すこやん「・・・ありがとう」スッ 京太郎「・・・あれ?」 京太郎「こっちのピンクの建物じゃなくて・・・」 雀荘「池田」 京太郎「」 二時間後 雀荘「もう来んなし!」 京太郎「す、すごかったですね・・・」 すこやん「・・・」 京太郎「(まだ目が濁っている・・・)」 すこやん「(もう・・・絶対引かれちゃったよね・・・)」 すこやん「(ストレス発散の麻雀にいたいけなDKを付き合わせるアラサー女) すこやん「(でもでもそもそも年が違いすぎたんだし・・・)」 すこやん「(あの店員さんの「ご兄弟ですか」って絶対「親子に見えるけどしゃーねーか」ってことだよね?)」 すこやん「(これがアラサーの限界・・・いやアラフォーだっけ?私)」 すこやん「(もうどっちでもいいや・・・・・・)」ジワ 京太郎「あ、あの小鍛治さん!」 すこやん「?」 京太郎「す、すみません僕もうそろそろ帰らなくちゃいけないんです・・・」 すこやん「そっか・・・そうだよね」 すこやん「ごめんね・・・こんな時間までアラフィフティーンの君を連れまわして・・・」 京太郎「(アラ・・・なんだって?)い、いえこちらこそ楽しかったです!小鍛冶プロと買い物とか・・・麻雀とかできて!」 すこやん「うんありがとうこっちも楽しかった・・・」 すこやん「(現世最後の逢瀬・・・)」 すこやん「それじゃ・・・」 京太郎「だっだからっ!」 すこやん「?」 京太郎「メールアドレス・・・交換してくれませんか?」 すこやん「・・・え?」 京太郎「い、いやあの、ホント迷惑じゃなかったらでいいんですけど!あの、ホント有名人だからとかじゃなくて・・・」 京太郎「こっ小鍛治さんのアドレスだから!教えて欲しいです!」 すこやん「・・・」 京太郎「・・・」ドキドキ すこやん「・・・」スッ 京太郎「へっ」 すこやん「ごごれ゙んら゙ぐして」ダッ 京太郎「あっあの!」 タタタタ 京太郎「行ってしまった」 京太郎「これは・・・名刺?」 京太郎「アドレスも電話番号も書いてある・・・」 京太郎「・・・OKってことでいいのかな?」 ダダダダダ ウワッアブネーキーツケロ すこやん「(うれしいうれしいうれしいっ!)」ボロボロ すこやん「(私のアドレスだから欲しいって!私のだから欲しいって!)」 すこやん「(アラサーの私のアドレスが欲しいって!)」 すこやん「(どうしよう今泣きながら笑いながら泣いてる!)」 すこやん「(こんな顔誰にも見せられない・・・!)」 タタタタタタ タタタタ タタ・・ ピタ すこやん「こーこちゃん・・・」ハァハァハァ こーこ『恋愛は中学生並み―』 すこやん「(ホントそうだよ・・・)」 すこやん「(これ・・・絶対好きになっちゃってる・・・)」 すこやん「ぅあ・・・」 すこやん「うわあああああああああああああん!!!」 後日 京太郎「」ポケー タコス「なんか京太郎が黄昏てるじぇ・・・」 和「まだ真昼間なんですけどね・・・」 ワカメ「一度夜遅くに帰ってきてからずっとこうじゃのう」 久「女にでも引っかかったんじゃないかしら?」クス 咲「!?」 京太郎「(これ・・・連絡してもいーのかな・・・)」ピラピラ 京太郎「(でもあの時小鍛治さん泣いてた?みたいだし・・・)」 京太郎「(拒否なのか・・・?OKなのか・・・?)」 京太郎「あーもう分からん!」ゴロゴロ タコス「なんかもんどり打ち始めたじぇ・・・」 咲「あの状態・・・私がカプで行き詰ったときの状態に似てる・・・」 和「違うと思います」 京太郎「分からん・・・分からん・・・」 ワカメ「こんどはなんかつぶやいとるのお・・・」 京太郎「スマヌ・・・スマヌ・・・」 久「彼岸島?」 和「彼岸島ですね」 タコス「書いてる奴の迷走っぷりが手に取るようにわかるじぇ」 京太郎「(小鍛治さんとあってたこと話したくないから相談も出来ないしなー)」 京太郎「(こんなもん小鍛治さんに聞くまでわかんねーよー)」ゴロゴロ 京太郎「ん?聞く」ピタッ 京太郎「それだ」ガバ 京太郎「(メールしていいですか?って本人に直接会って聞くのもおかしい気がするけど)」 京太郎「(メールってパーソナルなコミュニケーションだし・・・やはり確認を取らないとだよな)」 京太郎「・・・ホントに気が小さいな、俺って」 京太郎「そうと決まればインハイ会場に突撃だ!」 会場 京太郎「今日は一回戦最終日」ハァハァ 京太郎「臨海ブロックの試合か・・・」 休憩所 京太郎「・・・いないか」 京太郎「まあ待ってれば来るかも知れないし」 京太郎「待とう」 すこやんの宿泊ホテル すこやん「(枕気持ちいい)」ギュー すこやん「(お布団気持ちい)」グダー すこやん「はぁー」 すこやん「(私は貝になりたい)」ゴロゴロ prrrrrrrr すこやん「」シュバッパシッ すこやん「何だ・・・こーこちゃんからのメールか」ハァ すこやん「(って何だじゃないんだよね)」 すこやん「(こーこちゃん心配して連絡くれてるんだもんね・・・)」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「(ごめんね)」ゴロゴロ すこやん「・・・・・・」ゴロゴロ すこやん「(須賀くんの腕・・・結構太かったな)」ピタ すこやん「(ちょっとが血管浮き出てて・・・逞しかったな)」 すこやん「う・・・」キリ すこやん「か、過去に例を見ないほど胸が痛い・・・」キリキリ すこやん「うう・・・」 すこやん「あ、もうこんな時間」 すこやん「・・・今日、こーこちゃん一人で会場行ったんだよね」 すこやん「ごめんねこーこちゃん」 すこやん「・・・・・・・」 すこやん「臨海ブロックの試合・・・見なきゃ」ピ 針生「決まったー!有珠山高校が満貫をツモって堂々のトップで副将戦終了!」 咏「やっぱ有珠山高校は強いねーまだ分からんけど」 針生「それでは昼休みの後大将戦を開始します」 京太郎「前半終了か・・・」 京太郎「お昼休みなら売店とかに行ってるかもな」 京太郎「ちょっとうろついてみようかな」 昼休み 関係者休憩所 こーこ「大問題です」 針生「なに?私実況で疲れてるんだけど」 こーこ「すこやんが部屋から出てきません」 針生「そんな・・・別にオフなんですから部屋に篭っていたい日もあるんじゃないの」 こーこ「ところがどっこい!すこやんはそうじゃないんです!」 針生「(うぜえ・・・)」 こーこ「すこやんは天然植物人間なんです。太陽光にあたって光合成しないと死んじゃうんです」 針生「ちょっとヘンなこというのやめなさいよ」 こーこ「しかも電話にもメールにも反応なしです」 針生「あんたがしつこすぎたんじゃないの?」ヘッ こーこ「さらにさらに」 こーこ「昨日夜分遅く帰って来たときのこーこちゃんの目が充血してました」 針生「・・・何だと?」 こーこ「女なら誰でも泣きはらした経験があるでしょう」 こーこ「間違いなくそれです」 針生「これは・・・」 こーこ「まさか・・・」 こ針「男の予感!」 咏「小鍛治さんに男とかオカルトだねー」ヒョコッ こーこ「うわっ!」 針生「ちょっとビックリさせないでくださいよ!」 咏「知らんし」 針生「でも小鍛治プロに彼氏とかできたら結構ビッグニュースかも知れないですねー・・・」 咏「小鍛治さんは関係者の間でアイドル的なところあるからねー」 こーこ「うーん一番の友人としてはちょっと複雑・・・」 針生「あんた小鍛治プロとの付き合いまだ1年も経ってないでしょうが・・・」 こーこ「でもすこやんが靡く男ってどんなんだろ・・・」 針生「年上ですかね・・・大沼プロが初恋だって言ってましたもんね」 咏「んーそりゃ分かんねーんじゃないかなー案外年下かもよ?」 咏「ほらあんな感じの」 京太郎「迷った・・・」 こーこ「うーんすこやんは簡単にイケメンになびくタイプではないと思うんだけどなー」 針生「根拠はあるんですか?」 咏「いや?知らんし」カラカラ 針生「」イラッ 針生「っていうかそもそも学生ですし!」 京太郎「?」 同時刻 すこやん「ん」ノビー すこやん「・・・今から会場行ってもまだ大将戦間に合うんだよね」 すこやん「どうしよう」 すこやん「・・・・・」スチャ すこやん「携帯に着信はなし・・・か」 針生「準決勝進出は有珠山高校に決まりました!」 咏「臨海のネリーにどう対応するかが見ものだねー知らんけど」 針生「ではまた次の試合でお会いしましょう」 京太郎「来なかったなー」 京太郎「はは、なんか初戦の日のデジャヴだな」 京太郎「あのときは小鍛治さんにジュース奢ってもらって―」 京太郎「あ・・・」 京太郎「ポカリ・・・売り切れてる」 京太郎「・・・」ガンッ 自販機「おうふ」 京太郎「・・・ごめんなさい」 自販機「許すよ」 その夜 すこやんのホテル すこやん「11時か・・・」ゴロン すこやん「連絡、来なかったな」 すこやん「何だろ・・・連絡先聞いてきたのは冗談だったのかな」ジワ すこやん「・・・・・・」グイッ すこやん「・・・」ポチポチ 「須賀くんへ 連絡下さい 小鍛治」 すこやん「なーんてね」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「よしっ!」ガバッ すこやん「次会えたら話そう!」 すこやん「会えなかったら・・・」 すこやん「いや探そう!」 すこやん「そして話す!何か分からないけど話そう!うん!」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「だから・・・」ジワ すこやん「今は泣いてもいいよね・・・?」 すこやん「うぅ・・・」ボロボロ すこやん「うぅううぅうう・・・・・・・!」 翌日 すこやん「よし!」 すこやん「昨日はちょっと弱気になりすぎてたよ、私!」 すこやん「そーだよたまたま昨日は連絡くれなかっただけかも知れないし」 すこやん「そもそも向こうも一日中私のこと考えるてるとは限らないし?手が空いたときに連絡くれるのかも知れないし?」 すこやん「うん・・・今日は健やかに行こう」 こーこの部屋 すこやん「こーこちゃん?」コンコン こーこ「すこやん?」 すこやん「うん」 ガチャ こーこ「・・・もういいの?」 すこやん「うん、メール返すのが遅れてごめんね」 こーこ「・・・私いつでも相談乗るぜー?」 すこやん「うん・・・ありがとうこーこちゃん」 すこやん「でも大丈夫だから」 こーこ「・・・この適度に不健康な感じ!いつものすこやんだね!」 すこやん「うん・・・って私はこれでも健康体・・・」 こーこ「わはは」 こーこ「んじゃいこーか!」 すこやん「(何か・・・あまりにも恥ずかしくて相談も出来ないんだよね)」 すこやん「(こーいうとき友達を頼れないから・・・この歳になっても浮いた話のひとつもないんだろうな)」 すこやん「・・・う」キリキリ こーこ「・・・」 清澄控え室 京太郎「今日は雨か・・・」 タコス「雨の日のタコスもうまい」モグモグ 京太郎「天気関係あんのか?」 タコス「大アリだじぇ。湿度によってタコスの味は変わるのだ」 京太郎「そんなもんかなぁ・・・」 京太郎「ん?」 咲「あ、やっぱりシード校はどこも上がってきてるね」 和「そうですね・・・どこも強豪ばかりです」 京太郎「あれ?それ今日の試合日程?」 咲「うん。昨日の夜FAXで送られてきたよ」 京太郎「見してくれ」 咲「はい」 京太郎「(解説小鍛治健夜は・・・)」 京太郎「(臨海ブロックの準々決勝か)」 京太郎「(時間・・・被っちゃってるな)」 咲「(京ちゃん・・・真剣な顔するとやっぱりかっこいいな)」キュン 咲「(何でその顔をハギヨシさんに向けてくれないんだろう・・・)」ハァ 京太郎「?」 ブオー すこやん「分かってたけど・・・臨海ブロックと永水ブロックの準々決勝は被ってるんだね」 こーこ「そーだよー」 すこやん「残念だな・・・」 こーこ「お、どーした永水ブロックに気になる高校でもあるの?」 すこやん「うん・・・清澄高校・・・」 こーこ「清澄・・・ああ初出場だもんねー」 すこやん「うん・・・長野の天江衣選手は絶対に今年も上ってくると思ってたから」 こーこ「あーすこやんのお気に入りだもんねー」 すこやん「別にお気に入りってわけじゃないんだけど・・・」 すこやん「(あの子が一番私に近い気がしたんだけどな)」 すこやん「(それに・・・)」 こーこ「小鍛治プロは今恋してますかー?」 すこやん「ぶはぁっ!」 こーこ「・・・」 すこやん「何でこーこちゃんは毎度毎度いきなりそういうこと聞くかなぁ!」 こーこ「小鍛治プロが珍しく声を荒げております」 すこやん「ちょっ」 すこやん「・・・」 すこやん「ラジオ配信してないよね?」 こーこ「してないよー」カチッ ネトラジ<シテナイヨー プツッ 妹尾「切れちゃったね・・・」 むっきー「クソが」 ブオー こーこ「・・・やっぱりさ心配だったんだよね」 すこやん「え?」 こーこ「だって友達が目ぇ真っ赤にして帰ってきたら誰だって心配するじゃん」 すこやん「・・・」 こーこ「だからさ・・・確かに私年下だけど・・・相談とかしてくれたら乗るからさ・・・」ジワッ すこやん「えっ」 こーこ「別に私じゃなくてもいいから・・・誰かにちゃんと相談してよ」グスグス すこやん「えっえっ何でこーこちゃんが泣くの?」 こーこ「だって・・・何か寂しいじゃん~一人で枕濡らして寝るのとかさぁ~」ウワーン すこやん「うっ運転!運転しっかりお願い!」 こーこ「すこやんが話してくれたらちゃんとするし」メソメソ すこやん「はっ話す!話すから!」 こーこ「やった」ケロッ すこやん「・・・・・・」 こーこ「ヘヘヘ」 すこやん「・・・ごめんね心配かけて」 こーこ「いいってことよー」ブオー すこやん「うん・・・・・・今夜、ちゃんと話すから」 すこやん「(ちゃんと・・・話せるようにしとかなきゃ)」 すこやん「はっ話す!話すから!」 こーこ「やった」ケロッ すこやん「・・・・・・」 こーこ「ヘヘヘ」 すこやん「・・・ごめんね心配かけて」 こーこ「いいってことよー」ブオー すこやん「うん・・・・・・今夜、ちゃんと話すから」 すこやん「(ちゃんと・・・話せるようにしとかなきゃ)」 清澄控え室 京太郎「(被ってるってことは・・・試合が始まる前に会わないとまずい!)」 京太郎「早めに会場入りしといてよかった」 久「でもかなーり時間空いちゃったわね」ウーン 久「・・・自由時間にしようかな」 京太郎「!!」 タコス「よし犬!お前にこれからタコスの極意を教えてやろう!」 和「須賀君なら物凄い勢いで出て行きましたけど」 タコス「最近の犬は自由行動が多すぎるじぇ・・・」 こーこ「到着ー!」 すこやん「ちょっと早く着きすぎちゃったね」 こーこ「じゃあ朝ご飯でも買ってこようかなー」 すこやん「ん、じゃあ待ってる」 こーこ「おう」 すこやん「(・・・試合時間が被ってるってことは、今のうちに探さないとだよね)」 すこやん「(今すぐ・・・)」 すこやん「うう・・・なんで」キリキリ 京太郎「小鍛治さん?」ハァハァ すこやん「!?」 京太郎「やった・・・見つけた」ハァ すこやん「」 すこやん「」ダッ 京太郎「ちょっ」 京太郎「ちょっ!濡れちゃいますよ?!」ダッ バシャバシャバシャバシャバシャ すこやん「(何私逃げてんの?駄目でしょ!)」バシャバシャ 京太郎「(何で逃げられてんの!?)」バシャバシャ すこやん「(おかしいおかしい!だって向こうは私の気持ち気づいてないんだよ?逃げる必要ないよ?)」 京太郎「(え?あれ?俺やっぱ迷惑?ストーカー的なあれか?)」 すこやん「(そうだよ!私が普通にしてればいいんだって!)」 京太郎「(ええいもう全部話して聞いてみればいいや!)」 すこやん「(今日は話すって決めたんだ・・・逃げるな小鍛治健夜―!)」 ピタッ すこやん「・・・」ハァハァ 京太郎「・・・」ハァハァ 京太郎「あの」ビショビショ すこやん「やぁー須賀くんじゃない!偶然だね!」ビショビショ 京太郎「」 すこやん「(間違えたまちがえたまちがえたまちがえたまちがえた)」ダラダラ すこやん「(散々逃げ回って「偶然」って・・・)」ダラダラダラダラ 京太郎「」ザッ すこやん「(ぐ、偶然出会えた偶然に感謝!いやいや偶然足がひきつけを起こして走り出しちゃった!)」 すこやん「(・・・いやいやいやいや!)」グルグル すこやん「(あ・・・・・・・・もう頭回んな)」 ギュ すこやん「え?」 京太郎「・・・」 すこやん「え・・・なんで」 京太郎「・・・なんか」 京太郎「寒そうだったから・・・」 すこやん「・・・・・・・・」 京太郎「・・・・・・・・」 すこやん「・・・」ギュ 京太郎「・・・!」 すこやん「・・・」 京太郎「あの」 すこやん「はい」 京太郎「メールしてもいいですか」 すこやん「待ってました」 京太郎「すみません」 すこやん「いえいえ」 京太郎「・・・」 すこやん「・・・」 京太郎「電話もしていいですか」 すこやん「待ってます」 京太郎「よかったです」 すこやん「・・・」 京太郎「・・・」 すこやん「だきつかれてびっくりしました」 京太郎「ごめんなさい」 すこやん「ゆるします」ギュウ 京太郎「・・・」 すこやん「・・・」 京太郎「このままでは風邪を引いてしまいます」 すこやん「そうですね」 京太郎「軒下に入りましょう」 すこやん「このままがいいです」 京太郎「・・・」 すこやん「・・・」 京太郎「じゃあこのまま移動しましょう」 すこやん「はい」 カニアルキカニアルキ すこやん「・・・」 京太郎「・・・」 すこやん「・・・っぷ」 京太郎「・・・っく」 すこやん「あはははははははは」 京太郎「あはははははははは!」 10分後 すこやん「あー笑っちゃった」 京太郎「雰囲気ぶち壊しでしたね」 すこやん「・・・うん」クス 京太郎「あの、メールしますから」 すこやん「うん」 京太郎「っていうかもう今しちゃいますから」ゴソゴソ すこやん「だめ」 京太郎「え」 すこやん「一緒にいるときは・・・私を見てて欲しいな」 京太郎「・・・はい」 すこやん「・・・」カァ 京太郎「・・・」カァ すこやん「そ、そろそろ戻ろうか」スクッ 京太郎「そ、そうですね」スクッ すこやん「あ、あのね須賀くん」 京太郎「はい?」 すこやん「あの・・・なんていうか」 京太郎「?」 すこやん「えっと・・・その」 すこやん「分かれる前に・・・あの」モジモジ 京太郎「・・・?」 京太郎「あ、トイレですか?」 すこやん「じゃなくて!」 すこやん「あの・・・言葉で」 京太郎「え」 すこやん「言葉でちゃんと、聞いておきたいデス・・・」 京太郎「あ・・・」 すこやん「・・・」カー 京太郎「・・・分かりました」 京太郎「俺は・・・」 控え室 京太郎「ただいまー」 タコス「おうちゃんと帰ってきたな犬―ってびしょびしょだじぇ!」 和「わっ」 ワカメ「どこで何しとったんじゃあ」 京太郎「ははは・・・」 久「はいタオル」 京太郎「すみません」 久「・・・何か分からないけど・・・スッキリした顔になったじゃない」 京太郎「・・・はい!」 咲「(雨の中でのハギ京・・・一理あるね)」 すこやん「こーこちゃんごめーん」 こーこ「ちょっとすこやーん!どこ行ってたの」 すこやん「ごめんごめん」ハァハァ こーこ「しかもびしょびしょ・・・あれ?」 こーこ「どうしたの、顔」 すこやん「え?」ハァ こーこ「だって」 こーこ「すっごい笑顔じゃん」 「須賀京太郎です 電話番号は090XXXXXXXXです 登録お願いします 好きです 俺とお付き合いしてもらってもいいですか」 すこやん「うん!」 その日の晩 すこやん部屋 すこやん「こーこちゃん」ボー こーこ「んー何ー?」 すこやん「好きな人と抱き合うと安心するんだね」 こーこ「」 こーこ「」ピト すこやん「熱はないよ」 こーこ「覚悟はしてたけどその切り出し方は予想外だった・・・」 すこやん「うん・・・」 こーこ「何?やっぱり今日試合開始前にいちゃついてたの?」 すこやん「いちゃついてはないよ!」 こーこ「(いや今抱き合ったつってたやん)」 こーこ「ふーんじゃあそれですこやん涙の原因は消えたの?」 すこやん「うん・・・もう完全に大丈夫だから」 こーこ「そっか・・・じゃあお姉さんも安心だ!」 すこやん「お姉さんってこーこちゃんの方が・・・」 すこやん「・・・そうかもね」 すこやん「こーこちゃんに言われたもんね、「恋愛は中学生並み」って」 こーこ「ちょっと違うけど・・・言ったかもねー」ナハハ こーこ「(以外と根に持つ小鍛治プロ(アラサー)であった)」 すこやん「うん・・・その通りだなあって思った」 こーこ「・・・そっか」 すこやん「うん」 こーこ「・・・」 すこやん「・・・」 こーこ「いーんじゃないかな、中学生で」 すこやん「え?」 こーこ「中学生並みなら中学生みたいな恋すればいいさー」 すこやん「そう・・・なの?」 こーこ「あんま無責任なことも言えないけど」 こーこ「いいと思うよー中学生みたいなの恋愛」 すこやん「なんか適当だね・・・」 こーこ「えーだって恋心一番激しいのってあの時期だもん」 すこやん「そうなんだ」 こーこ「うん、まあその分失敗も山盛りだけど」 すこやん「・・・・・・」 こーこ「そこから始めればいいさー」 すこやん「・・・うん、そうする」 こーこ「相手にだまされないようにね」ウヒヒ すこやん「だっ大丈夫だよ!」 こーこ「あはは、じゃーおやすみー」バタン すこやん「もう・・・」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「(・・・大丈夫だよね?)」 すこやん「・・・・」カチカチ 京太郎の部屋 京太郎「あ、小鍛治さんからメールきてる」 京太郎「何だろ・・・」パカッ 「よろしくね、お兄さん」 京太郎「・・・?」 ネトラジ<ダイジョウブダヨ! 妹尾「すこやんにもついに彼氏が出来たみたいだね・・・」 むっきー「よし殺そう」 すこやん部屋(実家) すこやん「彼氏ができました」 すこやん「彼氏・・・」 すこやん「・・・」ゴロゴロゴロ すこやん「・・・」ピタッ すこやん「彼氏」 すこやん「・・・」ゴロゴロゴロゴロ すこやん「私小鍛治健夜に彼氏ができました」ピタッ すこやん「これから夜は多少不健康になるかもしれません」 すこやん「なーんてなーんて」ゴロゴロゴロ すこやん「いや現実を見よう」ピタッ すこやん「私はアラサー、相手はアラフィフティーン」 すこやん「いくら恋愛中学生といえどもこの事実は覆らない・・・」 すこやん「店員にも「親子ですか?」って言われちゃったし・・・」←言われてない すこやん「16歳か・・・」 すこやん「気持ちだけは・・・あの頃に帰れた気がする」 すこやん「それだけで満足・・・」 すこやん「できない私は」 すこやん「やはり欲深いのだろうか」 すこやん「・・・・・・」 すこやん「・・・」モゾモゾ すこ母「最近健夜の夜は健やかじゃないみたいですね」 すこ父「むしろ健康的だと思う」 おわり こーこ「っていう同人誌を冬コミで発表しようと思う」 すこやん「やめて」 咲「私はハギ京がいいと思います」 おわり -小ネタ①- すこやん「♪」グニグニ 京太郎「あの」 すこやん「何?」 京太郎「何で俺の腕触るんですか?」 すこやん「だって男の人の体って硬くて面白いんだもん」グニグニ 京太郎「そうですか」 京太郎「・・・」プニ すこやん「ひゅ」 すこやん「はんでほっへたひっはるの?」 京太郎「だって女の人の体って柔らかくて面白いんですもん」プニプニ すこやん「」 -小ネタ②- 京太郎「・・・」タン すこやん「あっそれじゃない、駄目」ムニュ 京太郎「・・・」 すこやん「もう2sは3枚切れちゃってるから・・・もう1s3sのカンチャンターツは捨てて・・・」ムニュ 京太郎「・・・」タン すこやん「あっそれも駄目。シャンポン待ちは上がり牌が少ないから基本的にはリャンメンに受けた方が」ムニュ 京太郎「・・・(下半身リーチ)」 -小ネタ③- すこやんアイ:いつも死んだ魚のような目をしてるぞ! すこやん二の腕:ちょっとぽよぽよしてて柔らかいぞ! すこやんうなじ:年齢の香りがするぞ! すこやん鎖骨:結構くっきり浮き出てるぞ! すこやんおっぱい:とにかく柔らかいぞ!サイズは秘密だ! すこやんヒップ:小ぶりだぞ! すこやん・・・:すべて秘密だぞ! すこやんふともも:すっごい指が食い込むぞ! すこやんふくらはぎ:すべすべだぞ! すこやん足の甲:すこやんはたまにここが痒くなるぞ! すこやんエイジ:アラフォーだぞ! すこやん:アラサーだよ!
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513 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/28(水) 01 31 48.95 ID j1weovilo [10/12] 京太郎「竜華さんに拾ってもらえて、社長達と出会って……アイドルを目指すことになって」 はやり「……」 京太郎「新しい友達も出来て……あっ、そうそう! 俺こう見えても雑誌で特集組んで貰ったことあるんですよ!」フフン はやり「(どうして、こんなに幸せそうなの?)」ドクンッ 京太郎「ファンなんかも出来ちゃって、学校じゃモテモテかなーなんて」アハハ はやり「(君がアイドルになれたのは、私が君を……)」ギュッ 京太郎「それに、初めてだったんです」 はやり「初めて?」 京太郎「……こんなにチヤホヤされて、目立つ事が出来たのは」トオイメ はやり「……」 京太郎「今まで、ずっと裏方で……冴えない男でした。でも、今は違う」 はやり「うん……」 京太郎「俺はアイドルなんです。まだ駆け出しだけど……人に夢を与えられる」 はやり「夢を、与える?」 そうだ――思い出した 私が牌のおねえさんに選ばれた頃……あの頃は子供達に囲まれてるだけでただ嬉しくて、毎日がんばれていた だけど……いつからだろう、そんな日々に嫌気が差したのは? 仕事も事務的にこなして、ただ毎日を呆然と過ごしていた 夢を与えることなんて……考えてもいなかった 京太郎「だから――後悔なんてしてません。むしろ今までも不遇は……この日の為にあったんだって思ってます」 はやり「須賀君……」 京太郎「だから、俺は幸せです!」テヲギュッ はやり「あっ」 京太郎「そしてこれから、もっともっと幸せになってやりますよ!!」ニカッ , ´ / .' / .' ' | l | l | | / / ' | | | l| | l | , } l | | _/ イ / l| |_,∧_{ . ,-|-}-/、 , | {  ̄ ´ / / { |、{ l∧ {、 | }/イ/},イ / l_、 {〃 r∧ |ィ斧ミ从 、Ⅵ , イ斧ミ、 } /l| l、 / /{ 从{、 Vzリ \Ⅵ/ Vzり /イ } / / //从 l∧\ ,\ | /イ/ / イ' {/l∧ ∧ 、 ,イ/j'  ̄ ̄ ー∧ _, 从 ヽ 、 ` ¨  ̄ ィ }/ ∧ \ / |/> {(从_| -- ´ 「/// | |/ ̄}} |////|_ _,. <|///|| l/////` _,.. -=<///// \//} ,r-/////// <//////////////////∧-- 、 {///////l はやり「あぅっ……」キュンッ あ、ダメ……こんなの、初めて 好きに、なっちゃうよ……須賀君のこと、本気で はやり「うぁっ……//」ドキドキドキドキ 京太郎「瑞原プロ?」 はやり「須賀君……」ドキドキドキ 私、この人のこと 本気で好きに、なっちゃった 533 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/28(水) 01 42 49.47 ID j1weovilo [11/12] 京太郎「瑞原プロ? やっぱりどこか悪いんじゃ?」 はやり「う、ううん! なんでもないからっ!」アセアセ 京太郎「そうですか?」ウーン はやり「うん、なんでもないの……なんでもないの」ギュッ 京太郎「??」 ガチャッ 竜華「もうそろそろ時間や」 煌「終わりましたー?」 京太郎「あ、はいっ!」 はやり「……」ニコニコ 社長「(まるで意味が分からんぞ!!)」ガビーン はやり「ねぇ、須賀君」 京太郎「はい、なんですか?」 はやり「アイドルって大変だよ? 恋愛だってろくにできないし」フフ 京太郎「そ、そうですよね」 はやり「うん。トップアイドルになれば、もしかしたら許されるかもしれないけどねっ☆」クスクス 京太郎「……トップアイドル」ゴクリ はやり「だから、それまでははやりが鍛えてあげるっ!」 京太郎「え?」 はやり「君を必ずトップアイドルにして見せるから!」 そして――その時になったら きっと……この気持ちを伝える だから、だかその日までに…… 京太郎「あ、ありがとうございます!!」 はやり「うふふ、これからも頑張っていこうね♪」 京太郎「はいっ!!」 君のこと、絶対に夢中にさせるんだからっ! 容姿、歌唱力、演技力が少し上昇した! 演技力がDになった! 598 名前: ◆RwzBVKdQPM[sage] 投稿日:2013/08/29(木) 00 04 08.44 ID p/Y33MnNo [1/11] <<未知との遭遇 (健夜編)>> 突然ですが皆さん。 俺は今、非常にまずい状態に陥っています。 というのも、見ていただければ一目瞭然なのですが…… 京太郎「……」ブルブルブル 入り組んだ建物の奥底にある、行き当たり それを背に震える俺と…… ???「あ、あぁぁぁぁぁぁ?!」ジリジリッ _ , -‐'´ ̄ ̄ ̄‐-、 ,.-'´ ̄ ⌒''‐ 、 /─‐‐‐─----_、_\ / ,,.-‐‐-、 .─丁ニニニニニニニニ二二), -─‐‐‐‐-、/ / | -''''\ _,.-´ ̄` __、_ \ ふひひっ……! ! / / / ヽ.!^ ''/ ,.-、\ / \ ヽ! \___/.、 .| ゝ‐' / .| .|_ 丿 ! .! | !ヽ ./ ─ ̄'' ヽ__ / .、 ヽ / .! ' 、 /| / ̄'''‐ 、-‐-- 、 .!  ̄ ̄ / `ー--‐‐' | | ! | / ヽ ヽ__ _,/、 / .' 、- |\-----'''´ , -──‐|‐''`丶、_`─‐'____ ヽ/ はぁ…… l ./ ,, /  ̄ |゙ヽ はぁ…… l 、_, -‐' / ヽ、_ / ヽ ! /  ̄ l ! , -ヽ、 ! ! ./ ` ー-__ __- / 目の前にいるモンスター 京太郎「……」 ???「あ、あぼぉ、わ、わばびあばばば」モゴモゴ 京太郎「」 ああ、神様。 ???「じゃいんじゅじゃじゃぁぁぁーい!!」 京太郎「ぎゃああああああああ!!!」 俺……一体どうしてこんな目に? ――遡ること数日前 602 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/29(木) 00 13 44.42 ID p/Y33MnNo [2/11] それは唐突な話だった 京太郎「え? お仕事、ですか?」キョトン はやり「うん! とは言っても、小さなイベントだけどねっ☆」 京太郎「はぇー」 というのも簡単な話で。 瑞原プロが参加する麻雀教室に、アシスタントで来ないかというお誘いだ。 京太郎「でも、俺てんで打てませんよ?」シロウトレベル はやり「ううん、手伝ってもらうのは指導じゃないんだっ☆」 京太郎「え?」 はやり「小さいお子様向けの教室だから、保護者のお母さん達もたくさんくるんだよねー」エヘヘ 京太郎「そりゃまぁ、そうでしょうね」 はやり「でもでも、今回来るのは女性プロだけだから、お母さん達が退屈になっちゃう」シュン 京太郎「そういうもんでしょうか?」 はやり「ということで京太郎君っ! お相手よろしくっ☆」 京太郎「え?」 竜華「まぁ、これも営業やな」ポンッ 煌「頑張ってくださいね」 京太郎「え?」 【麻雀教室 当日】 京太郎「え?」 ママンA「あら、いい男の子じゃなぁい」サワサワ ママンB「私達に麻雀を教えてくださるー?」サワサワ ママンC「味見しちゃおうかしらぁ」ペロリ ゾロゾロゾロゾロ キャーカッコイイ! オイシソウネー アーイキカエルワァァ 京太郎「えぇぇぇぇ!?」ガビーン 607 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/29(木) 00 24 39.73 ID p/Y33MnNo [3/11] 【一方その頃 控え室】 キャー! カッコイイ! ワイワイ ガヤガヤ 良子「なんだかすっげー騒がしいですね」 理沙「……」ドキドキドキ 咏「ガキ相手に教えるなんてかったるいねぃ」ハァ 靖子「これもプロの仕事ですよ」 ガチャッ はやり「あっ、みんな揃ってるねっ☆」 靖子「瑞原プロ、外の騒ぎはなんですか?」 はやり「ちょっとお母様方にゲストを用意したんだ♪」フフフ 良子「ゲストですか?」 咏「へぇ? どんな子か興味あるねぃ」 はやり「ふふっ、はやり一押しの子だよっ!」 ズルッズルッ ???「あ、あぼぉぉ?」モゴモゴ 一同「!?!」ビクッ ____ /ニニニニニ\ニニV \ /ニニニニニニニ)\ニハ /ニニニニニニニ/ ./ニ/ } , . --<`く\ニニニニニ/ /∨ ./ ⌒ヽ } / \\______,/ニ// ノ ′. , \\ ニニニニニ// ー . ′ , ⌒ヽ ー─── ____ 、 ノ. { { ___ , ` ,xヘ心 {`¨¨´. , __.ノ ,xヘ]心 ′ 厂} , ′ ′ .厂ハ hrく, ′ ..,___,.ノ| し hrく 乂ノ(ノ } | 乂_ノ(.ノ . モゴモゴ . ),,ノ 、 ( 人 ___ノ\ > ⌒\ __.. イ/////} /.\ / ∨/ }{'////// { .\ { |//八V///{ \ 、 ノ¨´ `¨¨¨¨` ー--ヘ )>ー--‐'′ { } ,.く ノ 、 ノ , } / ′ ノ { ___ 人 人 / ヽ ( >r‐ '′. , \( ノ \ ノ| ( ー---‐ァ'"´⌒ヽ `¨く ※小鍛治健夜(2X)です `7 ( } `¨¨¨¨¨¨¨´ .. ( / ノ / ノ `¨¨¨´`ー… '′ ( ( )'′ `¨¨¨´` ー… '′ 健夜「ば、ばんべばばびばべぼんばぶばばばぼ?(なんで私だけこんな姿なの?)」 靖子「ぶふっ!」ブルブル 咏「くっ、ヒヒヒヒヒッ! に、似合ってるんじゃね? 知らんけど?」ダンッダンッ! 良子「ノーウェイ、これは酷い」ドンビキ 理沙「……可愛い!!」ブンブンッ はやり「お似合いですよ~☆」 スポッ 健夜「あ、暑いよぉ……」ハァ 613 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/29(木) 00 35 07.12 ID p/Y33MnNo [4/11] 靖子「それで、どうしてこの姿なんですか?」 はやり「それはね~☆ 子供向けのイベントだからだよっ!」ニッコリ 健夜「それ私じゃなくてもいいよね!?」ガビーン 咏「ぶっくくっ……」プルプル 健夜「ちょっと!! いつまで笑ってるの!?」プンプン 理沙「……いい!!」 健夜「そんなに羨ましいなら代わってよ!」 はやり「小鍛冶プロしか出来ないんですよ?」 健夜「え?」 はやり「はやりはこのキャラクターじゃなきゃダメですし☆」 靖子「着ぐるみじゃカツ丼が食べれませんから」モグモグ 咏「そもそも着ぐるみとサイズ合わねー! しらんけど」ニヤニヤ 健夜「でも、理沙ちゃんや良子ちゃんは!?」クルッ 理沙「……やる!!」キラキラ 良子「別に構いませんが」 健夜「ほら! 二人もそう言ってるよ!?」 ディレクター「すいませーん。二人は子供人気が高いので、そのままでお願いしますー」 はやり「そういうことです☆」 咏「そりゃ小鍛冶プロを好きな子供なんていないだろうねぃ」ブフッ! 靖子「世代が……」 咏「アラフォーくらいじゃね? しらんけど」アハハハ 良子「Oh……」 理沙「……残念」シュン 健夜「ちくしょぉぉぉぉ!!!」 ホンバンゴフンマエデース ゴヨウイオナシャース! 617 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/29(木) 00 49 30.41 ID p/Y33MnNo [5/11] 615 オーノー! スタッフやメンバーの冗談だと思ってください 健夜「でもこれ、頭かぶると喋れなくなるんだよ?」 はやり「あれ? ふもっふ変換装置が壊れてるのかな?」ウーン 靖子「あれじゃ子供達が泣いちゃいますよ」 咏「~~~っ!!」ダンッダンッ! 健夜「ちょっと咏ちゃん!? いい加減にしないと怒るよ!!」 良子「スタッフさんに修理して貰うべきでは?」 はやり「うーんそうだね☆ でもとりあえず私達だけ先に行っちゃおう!」 健夜「ええ!?? 置いていかないでよ!」 はやり「後でスタッフさんが来ると思うから、もう少し待っててくださいね☆」 健夜「そんなぁ」ガビーン ジャアオネガイシマース! 靖子「では行きましょうか」 咏「じゃ、頑張ってねぃ」プークスクス 理沙「……いざ!」ドキドキ 良子「頑張りましょう」 スタスタ ガチャッ バタンッ! シィーン 健夜「……」ポツーン はぁ、どうしてこんなことになっちゃったんだろ? こんなことなら、来なければ良かった 健夜「……」カポッ うわ、やっぱり暑い。 こんな着ぐるみ着てちゃ、麻雀なんて教えられないよ 健夜「(本当なら、今頃帝王の新作CDを買いに行く予定だったのに)」ハァ あ、帝王といえば……あの須賀君って子、最近仕事してるのかな? 雑誌の特集以来見ないけど…… 健夜「(こういうイベントで逢えるなら、参加した甲斐もあるのになぁ)」ハァ ガチャッ 健夜「(スタッフさんかな?)」クルッ 京太郎「ふー、疲れた。ママさん達のパワーは恐るべし」ヤレヤレ 健夜「!!」ガタッ 京太郎「おわっ!? なんだぁっ!?」ビクッ 621 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/29(木) 00 59 24.40 ID p/Y33MnNo [6/11] 京太郎「(なんだこの着ぐるみ? 誰か入ってるんだ……よな?)」ビクビク 健夜「あ、あぁぁぁぁぁ!!!!」ガタガタガタ 京太郎「!?」 健夜「(す、須賀京太郎君!!? ほ、ほ、本物!!?)」ドキドキ 京太郎「……?」 健夜「(本物も……カッコイイ!!)」キュンキュン 京太郎「あの、どこか具合でも悪いんですか?」 / | |.. . ゙、 . ゙、゙、. \ |. i | i |. ∧ 、.i. .i . ` 、. ! | |、 | | i | ! | | | 、 > | | i 「! ヽート!、 リ ! |ハ ト | ̄ ̄. ,..-、| i | !゙、 _、!二゙、-| イ リ ! |ヽ | / へ.゙、 丶ヾヽ ´{ i` ヽ! 1!| /| !ノ゙、リ ヽ \ !丶  ̄ Vイ ハ |\ i. 丶 \゙、 ` リ `ヽ `┬ 、 ヾ / i ;ィノ U ,....-ィ /,, ‐レリ _  ̄ /゛=!_ \ `ー-、_ _/ ゛== 、 \ / ̄ヽ、 ゛===-、 健夜「!!」 京太郎「無理しない方がいいですよ? 飲み物とかいりませんか?」 健夜「(しかも優しい!!)」ジィィーン ドキドキドキ 健夜「(お、お話したい! 出来ればサインも欲しい!)」ユラァ 京太郎「え?」ビクッ 健夜「あ、あぼぉぉ!!(あ、あのぉぉ!!)」ズイッ 京太郎「うわっ!?」アトズサリ! 健夜「わ、わばびぃ! あばばぼヴぁんべ!(わ、私ぃ! 貴方のファンで!)」グイグイ 京太郎「お、おわぁぁぁ!?」コウタイッ! 健夜「(え?)」 京太郎「(この中の人……もしかして変質者なんじゃ?)」 ビクビク 健夜「ば、ばばびぃぼぼびゃばいべぶ!(あ、怪しいものじゃないです!)」クワッ! 京太郎「う、うわぁぁぁぁぁ!!」ダダダッ! ガチャッ! タタタタッ! 健夜「!!」 ま、待って!! 行かないで!! 健夜「ばっべぇぇぇぇ!!!(待ってぇぇぇ!!!)」ドドドドッ! 京太郎「ぎゃぁぁぁぁぁ!! 追いかけてきたぁぁぁ!?」 630 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/29(木) 01 10 19.45 ID p/Y33MnNo [7/11] 京太郎「うわぁぁぁぁ!!」 健夜「びょうばぼうぶぅぅぅん!!(京太郎くぅぅぅん!)」ドドドドッ!! ナ、ナンダアレ!? キグルミガヒトヲオイカケテルゾ! ジケンダ! ジケンナノカー!? 京太郎「助けてぇぇぇぇ!!殺されるぅぅぅ!?」ダダダダ! 健夜「ぼばいばぼぉぉぉ!!(誤解だよぉぉぉ!!)」ダダダダ! こうして、俺の未知なる生物との追いかけっこが幕を開けたのである そして数分後…… 京太郎「……」ブルブルブル 健夜「あ、あぁぁぁぁぁぁ?!」ジリジリッ 俺は追い詰められていた _ , -‐'´ ̄ ̄ ̄‐-、 ,.-'´ ̄ ⌒''‐ 、 /─‐‐‐─----_、_\ / ,,.-‐‐-、 .─丁ニニニニニニニニ二二), -─‐‐‐‐-、/ / | -''''\ _,.-´ ̄` __、_ \ ふひひっ……! ! / / / ヽ.!^ ''/ ,.-、\ / \ ヽ! \___/.、 .| ゝ‐' / .| .|_ 丿 ! .! | !ヽ ./ ─ ̄'' ヽ__ / .、 ヽ / .! ' 、 /| / ̄'''‐ 、-‐-- 、 .!  ̄ ̄ / `ー--‐‐' | | ! | / ヽ ヽ__ _,/、 / .' 、- |\-----'''´ , -──‐|‐''`丶、_`─‐'____ ヽ/ はぁ…… l ./ ,, /  ̄ |゙ヽ はぁ…… l 、_, -‐' / ヽ、_ / ヽ ! /  ̄ l ! , -ヽ、 ! ! ./ ` ー-__ __- / 京太郎「……(お、追い詰められてしまった)」ガビーン 健夜「あ、あぼぉ、わ、わばびあばばば(あ、あのぉ、わ、私はあああ)」モゴモゴ 京太郎「ひぃぃぃ」ビクビク 健夜「(怯えてる顔も可愛いい……何かに目覚めそう)」ハァハァ ※結婚できない理由がどこか露呈してしまうアラサー 京太郎「お、俺なんか襲ってもなんにもなりませんよ?」ガタガタガタ 健夜「(なんだか、興奮してきちゃった……)」フヒヒヒ 京太郎「」ガタガタガタガタガタ 638 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/29(木) 01 19 41.22 ID p/Y33MnNo [8/11] 京太郎「」ブルブル 健夜「(あ、いけない。少しやりすぎたかも……)」 京太郎「あ、あぁぁぁ」ガタガタガタガタ 健夜「(私としたことが冷静じゃなかった……反省)」シュン 京太郎「……え?」 健夜「(最初から素直にこう言えばよかったんだ)」ウンウン 京太郎「あ、あの……?」 健夜「ば、ばぼぉぉぉ!!(あ、あのぉぉぉ!!)」ガシッ 京太郎「ひぃっ!?」 健夜「「じゃいんじゅじゃじゃぁぁぁーい!!(サインくださぁぁぁーい!!)」 京太郎「ぎゃああああああああ!!!」 ガクッ 京太郎「」チーン 健夜「ばべ?(あれ?)」キョトン どうして気絶しちゃったんだろう? ダダダダッ! 警察「警察だ! おとなしくしろ変質者め!」バンッ! 健夜「!?」 警察「貴様を逮捕する!!」 健夜「(ひぃぃぃい!? なんでぇぇぇ?!)」ガビーン 警察「大人しくしろ!!」 健夜「……」 警察「観念したか?」 健夜「」ダダダダダダッ!! 警察「に、逃げただと!?」 健夜「(どうしてこうなるのぉぉぉ!?)」ビエェェェン! 警察「待てぇぇぇゴルァァァァ!!!」ダダダダッ! 京太郎「う~ん……」 642 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/29(木) 01 26 46.98 ID p/Y33MnNo [9/11] 【数時間後 控え室】 ファンファンファンファン はやり「大変でしたねー!」 靖子「ああ。まさかこの会場に変質者が忍びこんでいたとは」 健夜「」ビクッ 理沙「……怖い」ブルッ 靖子しかも警察官を振り切って逃げ切ったらしい」 はやり「怖いですねー☆」 良子「しかし、着ぐるみを奪われてよく無事でしたね小鍛治プロ」 ドッキィィィン! 健夜「ま、まぁ、多少はね」グギギギ ;/ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \ ; :/ . . . . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . . . . . . ヽ ; ./ . . . . / . . . . . . . . / i . . . . . . . . . . . . . i. . . . . . . . . ; ; ′ . . | . . . .| . | . /| . . | . ト、 . .|\ . } . .| . . . . . . . .i : :i . . . i . .| . .| {ハ{/ \|\{ ヽ{ V Ⅵ . i . . . . .| : :| . . . | . .Ⅳレ' u `^ー───'| . . | . . . . .| ; ; | . . . | . .|_________,ノ.} __ | . . | . . . . .|: :| . . . | . .| イ{r' }ヽ | . . | . . . . .|: ノ ̄l〃 :| . . . | . .| ≠==ー  ̄ ̄ | . . | . . . . .| ノ :| . . . | . .| . , u | . . | . . . . .| ─|─〃 | . . . | . .|ハ , イ | . . . . .|  ̄| ̄ | . . . | . .| . ヽ ー ─'^´ / .| . . | . . . . .|: :| . | | . .| . . 个.. _ ィ . . . . | . . | . . . . .| ; ; | . | | . .| . . . | . . . |` .T ー--‐ ハ . . . .| . . | . . . . .|: :| . |八 | . . . | . . . | . } { .l . . . .| . . | . . . . .|: ; l/¨ヽ !⌒7ー──' ー─‐| . /ー-.. | :. ; / (} { ー- -──' |/ {) \ ; 咏「……もしかして、中身も小鍛治プロだったんじゃね?」ズバリッ! ギギギギギッ 健夜「ソンナコトナイヨ。イイカゲンニシナイトウタチャン、ユルサナイヨ?」ギロリ 咏「……」 はやり「……」 靖子「……」 理沙「???」 良子「世の中には、知らない方がいいこともあるってことですね」 健夜「……須賀君。大丈夫かなぁ?」ボソッ 645 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/29(木) 01 36 04.52 ID p/Y33MnNo [10/11] 【芸能事務所 アクセル1】 京太郎「」ムギュー 竜華「な、なんやねん……? 帰ってくるなり抱きついて……//」カァッ 京太郎「ふぐっ、ふぇぇ」メソメソ 竜華「??」 煌「何か嫌なことがあったんですね。ほら、いい子いい子」ナデナデ 京太郎「煌さぁぁぁん……」ムギュゥ ムニュゥゥン 煌「すばらっ……//」テレテレ . . . -‐===‐-ミ .≠´.. `ヽ、 / .. 、 \ _ . i \ 〔 `ヽ、 / . | ヽ マ^ヽ \ ビクッ ,′ ト、 i ; ∨ .. i . | \ ー+ i | } } リ } ,| i i イ| \ド|\N弋 /V j,.≠ j. / , 从 刈 ,示 云か∨ 斗匕 ,′ / A xヘ厶孑介 乂 ツ > / .゙ { } /\从乂ヅ ; ;< /. { 弋込.斗ャ 厶ヘ ; ; 丶 冰 ;; /// V ;ハ _,ノヽ / /  ̄ ´ ビクッ \ / ゝJ `ー一′/∨\ ___. `'ー-=≦=-‐ ≧=-u-rく / }"´ \ __,,.|ヽ}_rf´ / , / ̄ / / ,ハ / / i ,゙ レヘ_/´>'´ ,′ | i } { [ フ / { } 仁_7 V {/ { },_____ ; | ./ / | ∨ニニニ二7 V / | / ̄ ̄ ̄ ̄ソ { / | / / 竜華「むっ」ムスッ 照「京ちゃん。私の胸、空いてる」カマーン 淡「空いてるどころか、無いじゃん」ププー 菫「ブーメラン刺さってるぞ」ハァ 京太郎「うぅぅぅ」ギュゥゥウ 煌「ふふっ、もう怖いものは無いですよ?」ナデナデ 京太郎「ふぇぇぇ」 こうして、しばらくの間京ちゃんにはトラウマが残り、幼児退行していたという。 その間、女性陣たちによる甘やかし合戦が行われたとか行われなかったとか…… それを知る者はもう、誰もいない カンッ!! 774 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/02(月) 00 06 55.74 ID WEynw0Uyo [2/15] <<前回までのあらすじ>> アイドル活動をこなし、着々とファンを増やす京太郎の前に現れた妖怪着ぐるみアラフォー! そのあまりの恐怖に京太郎は幼児退行してしまったが……!? 【某日 アクセル1】 京太郎「ふぇぇぇ」ムギュッ ムニュムニュ 竜華「んぅっ……//」ビクッ 煌「ほら、いい子だから泣いちゃダメですよー」ナデナデ 京太郎「うん」グスグス 竜華「中身はこれでも、力は大人やから厄介や……」ドキドキ 照「京ちゃん。お菓子あげる」つポッキー 京太郎「わーい!」 照「ふふっ、いい子だね」ムギュゥゥゥ 京太郎「わぁ」キャッキャッ 淡「ふん、ばっかじゃない?」チラッチラッ 菫「ほら、こっちにおいで」オイデオイデ 京太郎「うん!」トテトテ 菫「ふふっ、よしよし」ナデナデ 京太郎「えへへ」 はやり「可愛いですねっ!」ムギュゥゥゥゥウ 和「もっと甘えていいんですよ?」ムギュゥゥゥゥ ダブルオモチッ! 京太郎「ウヘヘ」ニマニマ ワイワイ キャッキャッ 淡「……むぅ」ジーッ 京太郎「あぅ?」キョトン 淡「お、おいで……」ボソッ 京太郎「……」テクテク ピシュゥゥゥゥン!! 京太郎「お、俺は今まで一体何を!?」ハッ 淡「」 京太郎「アイドル活動しなきゃ(使命感)」キリッ ワーイモドッター! ヤッター! ワーイ! 淡「……」 ※ 京太郎君が復活しました 784 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/02(月) 00 16 01.23 ID WEynw0Uyo [3/15] 京太郎「ここ数日の記憶が無い……」ウーン 社長「いやぁ、大変だったね須賀君!」 京太郎「社長! 俺は一体今まで何を!?」 社長「……嫌な事件だったね」 京太郎「え?」 社長「犯人、まだ見つかってないんだろう?」 京太郎「何それ怖い」ブルブル 照「……はぅぅ、京ちゃんかぁいいよぉ」オモチカエリィ 竜華「なんやのこれ?」 煌「さぁ?」 淡「……」モグモグモグモグ ひのちゃま「シュークリーム美味しい?」 淡「……」コクリ のんたん「よしよし」 てらしー「俺甘いもんあんま好きじゃねぇから、俺の分も食えよ」プイッ 淡「……」モキュモキュ 京太郎「よーし! 今日も頑張るぞ!!」 社長「うむ! 頑張りたまえ!」 竜華「うーん、この」 煌「それ以上いけない」ガッ 安価↓3 A営業に行く(実力により成功率上昇) レコード会社 ドラマオーディション 麻雀イベントに参加 B仕事する(仕事を成功させれば営業が増えます) 結婚式場パンフの仕事 Cレッスン 各種パラメーターを上昇させます (そのレスのコンマ00~49でタコス 50~99でロッカー) 805 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/02(月) 00 24 58.12 ID WEynw0Uyo [4/15] 京太郎「今日のスケジュールは……?」 煌「ふふふっ、今日はなんと! お仕事ですよ!」 京太郎「マジぽん!?」 ひのちゃま「マジぽーん!」 京太郎「記憶の無い数日の間に一体何が……?」ウーン 社長「この間の雑誌の仕事は好評でね、関係者に色々と話が触れ回ったようなんだ」 京太郎「関係者?」 竜華「ほら、この前の雑誌のカメラマンさんや」 煌「あの方が仕事仲間に売り込んでくださったようなんですよ! すばらっ!」 京太郎「あ、あの人か……」ヒクヒク なんでだろう? 嬉しいことなのに、なぜか素直に喜べないな 京太郎「それで、どんな仕事なんですか?」 竜華「なんや、パンフレットの撮影とか言うとったな」 煌「はい。パンフレットと、一部は雑誌に載るみたいですね」 京太郎「へー、何のパンフレットですか?」 煌「……結婚式場です」 京太郎「え?」 竜華「結婚式場?」 煌「雑誌はゼ●シィです」 京太郎「え?」 竜華「え?」 煌「ゼクシ●です」 京太郎「●クシィ?」 煌「ゼク●ィです」キッパリ 竜華「あの有名な?」 煌「ゼクシィです」 京太郎「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁ!?」ガタガタガタガタガタ 竜華「あぁぁぁぁぁぁ!!」ブルブルブルブルブル 煌「さぁー行きますよー」ズルズルズルッ 819 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/02(月) 00 34 29.06 ID WEynw0Uyo [5/15] 【撮影スタジオ】 ザワザワザワザワ モデルK「……」テクテク モデルU「……」テクテク モデルS「……」テクテク モデルA「……」テクテク モデルK「(あれ、これ二回目?)」テクテク モデルA「(ん? さっきも通ったような?)」テクテク モデルM「……」テクテク モデルA「(え? ループ?)」テクテク モデルS「……」テクテク モデルA「(どういうことなの……?)」テクテク モデルT「……」テクテク モデルO「……」テクテ ガヤガヤ 担当「あらぁ~久しぶりねぇ、ボ・ウ・ヤ♪」サワサワ 京太郎「」 担当「硬くなっちゃって、カワイイ」ウフフフ 京太郎「」ガクガクガクガクガク 竜華「こら! 失礼や」ペチッ 京太郎「いやいや! こっちの身にもなってくださいよっ!」 担当「ウフフ、前より成長していること期待してるわよ?」 京太郎「は、はい!」 ソンジャキガエテクダサーイ 竜華「ほな、メイクしよか」シャキッ 京太郎「じゃあ、お願いします」 ダダダダッ! スタッフ「た、大変です担当さん!!」タタタッ 担当「あらぁ~? どうしたのかしらぁ~?」 スタッフ「じ、実は!! 今日来るはずだった花嫁役が来れなくなりました!!」 担当「!?」 京太郎「!?!?」 竜華「!?」 煌「須賀京太郎をよろしくお願いします」ペコリ スポンサー「これはどうもご親切に」アハハハ 825 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/02(月) 00 43 20.83 ID WEynw0Uyo [6/15] 担当「それはどういうことだぁ!? ああん!?」ギロッ 京太郎「」ヒィィィィ スタッフ「そ、それが……依頼していたちゃちゃのんのドラマ撮影が遅れているとかで」アセアセ 担当「んだとぉぉぉ!? 雑誌舐めるなよゴルァァァァァ!!!」ムキムキムキ 京太郎「」ホァァァァ 竜華「大変そうやなぁ」 煌「この場合、撮影はどうなるんでしょうか?」コソコソ 担当「くそっ!! 代わりのモデルは誰かいないの!?」 スタッフ「今から呼ぶには少し時間が……」 担当「ああもう!! どこかに可愛い子いないかしら!!」 竜華「そない簡単に見つかったら苦労ないなぁ」ボーッ 担当「ん?」チラッ /. . ヽ .' . . . . |、 ヽ `、 .i . . . . | vヘ `、 . .i . . . . | Vヘ ;, . .i . . . ii / j vヘ i . .i . . . |ト、 . / / / vヘ | ノ.. .i . . . | \ イ /) / i .ハ |-‐ ´ 〉 i|. . . |i__ニ=¬‐ / | /)' / ーi ト、 ム=-‐ ⌒ヽヘ |i . . . |i . イレi /// | i i /|i }ヘ} |i . . . |i . . ' {i | イ /´ 」レj / イi / }} |i . . . |i . | ,yア抖苧弓ミ ,ィi抖弓ミト、 |ii ,' }} |i . . . |i . レy' ん)'//心` ん)/心 ヾ〉 / / }} |i . . . レ'⌒ヾ . 厶ヘ {ヘ{'///^} {ヘ{//^} /ムィ / }} | . . |' ヽヘ 乂ミ它ソ 乂它ソ /ムイ i . . ト、 ' | | i . . |iへ /i/i/i/i/ 、 /i/i/i// j i . . |i . ≧=r ルイ i . . |i . |//,へ 小 i|. i . . |i . v///l \ /⌒ヽ イ | i|. i . . |i . V//l ` . ー ‐' / i | i| i . . |i . V/l ` . イ. i | i| i . . |i . . Ⅵ ` ‐-‐<'//」. i | i|_ __|二ニ=-‐¬i . | \ /__〉 !. i | i|  ̄ミへ、 ,,へ へ |i . | \ ' | !. i | i| j j / \. //⌒''<⌒≫、 |i . | \ | | . i | i| j j' / ヽ 〈/ ⌒<⌒≫ |i . | \ | | . i | i| j j / i 竜華「……ん?」 担当「いたぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 竜華「ふぇ?」 スタッフ「いたぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 京太郎「!?」 煌「これは……すばらな展開!?」キラキラ 担当「ということで、さぁ、着替えて着替えて!!」 竜華「ちょ、ちょっ!! なんでうち!?」アタフタ 担当「「今回のは若妻 若夫特集なのよぉ! だぁかぁらぁ、うふふ、オッケー☆」 竜華「!?」 煌「京太郎君もほら! 着替えましょう!」グイグイ 京太郎「え? え?」 テキパキオキガエチュウ!! 842 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/02(月) 00 53 49.98 ID WEynw0Uyo [7/15] カーテン シャッ 京太郎(E:タキシード)「ふぅ、どうですか?」キリッ 煌「すばらっ!」キラキラ スタッフ「あぁ~いいっすね~!」ギンギン 担当「似合ってるわよぉ」ニコニコ 京太郎「そう言えば竜華さんは?」キョロキョロ 煌「ふふっ、それは……」 イヤヤ! イキトウナイ! ワガママイワナイノ! ヤ! イヤヤッテ! ホンマヤメェ! 京太郎「竜華さん?」 カーテン シャッ! 竜華(E:ウェディングドレス)「あぅ……//」カァッ 京太郎「あっ……可愛い」 竜華「~~~~っ!!」ボッ 煌「すばらっ! すばらっ!!」 担当「あらぁ、可愛いお嫁さんねぇ」クスクス スタッフ「ほーん、そうっすね」ホジホジ 竜華「あ、あの……変じゃない?」オズオズ 京太郎「どこもおかしくないですよ。むしろ、似合いすぎで怖いくらいです」ニコッ 竜華「うぅ……//」モジモジ 京太郎「なんだか、こうしてると本当に結婚するみたいですね」アハハ 竜華「あ、あほ!! 冗談でもそ、そそそそんなこと言うな!!」ポカポカ 京太郎「すいません」クスクス 担当「それじゃあ、早速準備してもらうわよ?」 スタッフ「こっちでぇーす」 ゾロゾロゾロ 竜華「ま、待ちっ! このドレス動きづら……!」ガクッ ガシッ 竜華「あっ!」ドキッ 京太郎「大丈夫ですか?」ギュッ 竜華「っ~~~~!!!」マッカッカッカ 京太郎「さぁ、行きましょうか? 俺だけのお姫様……」ボソッ 竜華「」ボッ 857 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/02(月) 01 06 54.56 ID WEynw0Uyo [8/15] 竜華「」マッカッカッカ 担当「それじゃあ、撮っていくわよぉ?」 京太郎「はい!」 竜華「」モジモジモジ 担当「竜華ちゃぁ~ん? そんなに恥ずかしがってちゃダメダメよぉん?」 竜華「せ、せやけど!」ドキドキ 京太郎「いつも通りでいいんですよ? それだけで可愛いんですから」 竜華「」ボシュッ! 煌「はーい、京太郎君は口を閉じていてください」ニコニコ 京太郎「ええっ!?」 担当「竜華ちゃん? 京太郎君の為にも、貴方が頑張らないとダメなのよぉ?」 竜華「え?」 担当「……分かるでしょう?」 竜華「あっ……」 せや、この仕事はうちが取ってきたものやない ……京太郎君が頑張ってもぎ取った仕事なんや それを……うちが潰してどうするん? 煌「清水谷さん、頑張ってください!」ニコニコ スタジオでの売り込みだって花田さんがやってくれたみたいやし、うち……ほんとダメダメや 竜華「せやけど、それでも……」ボソッ 京太郎「竜華さん?」 竜華「京太郎君のプロデューサーはうちや!!」バーン! 京太郎「!!」 竜華「だから、うちが最高の花嫁になったる!! だから京太郎君は最高の花婿になりや!!」ウワメヅカイ 京太郎「!!」ドキッ 竜華「……」 京太郎「勿論です、竜華さん」ニコッ 担当「まぁ……//」カァッ 煌「ぷ、プロポーズみたいですね……//」カァッ スタッフ「撮影始めまーす」 担当「そ、そうね。それじゃ準備はいい? お二人さん?」 京・竜「「はい!!」」 コンマ安価↓3 00~49 パンフレット 特集1ページ 50~99 パンフレット 表紙 成功判定↓4 ゾロ目で大成功! 00~39 普通 40~89 成功! 90~99 大反響!! 893 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/02(月) 01 18 09.31 ID WEynw0Uyo [9/15] パシャッ! パシャッ! 担当「いい感じよぉ! だけど、もう少しインパクト欲しいわねぇ?」 京太郎「うーん、インパクトかぁ」 煌「それでは、お姫様抱っこなんでどうでしょう?」ニヤリ 竜華「!?」 京太郎「それおもしろそうですね」ニコニコ 担当「グゥゥゥッドアイディアよぉぉぉん!」 竜華「え? でも、うちを京太郎君が抱えるってこと?」 京太郎「それじゃあ、持ちますよ?」グッ 竜華「で、でもうち重いし! そんな!」アセアセ ヒョイッ 京太郎「軽すぎて心配なくらいですよ?」クスクス 竜華「~~~~~っ」カァッ 京太郎「それに……」ムキッ 京・煌「「鍛えてますからっ!」」シュッ 担当「グゥゥゥゥッド!」パシャパシャ 竜華「もう好きにしたらええ!!」イェーイ! 京太郎「あはは、乗ってきましたね」 煌「すばらですよ!」 担当「いいわぁ!」アハハ こうして、この日の撮影は無事に終了したのであった 【その日の夜 竜華の部屋】 竜華「……結婚、かぁ」ドキドキドキドキ 写真立て「」 竜華「アホ……十年早いわ」パタンッ ゴハンヤデー 竜華「はーい!」 ガチャッ バタンッ! 897 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/02(月) 01 20 15.91 ID WEynw0Uyo [10/15] 【写真立て】 ↓最高の旦那様←と書かれた文字の上にマジックで塗りつぶした後 _ , 、 /ィ--∨ .- 、←ただのアホ __/ , , } l \. -―━..、―- ` ー-, | /{ { l | | 、. ミヾV \/\/\ \ /_/ | / 从 ,-}/、 |l |.... / ∧ \ ヽ / 从ィ愛Ⅵ /ィ愛ク}イ { / | \ \〉 l | ハ ` ̄´ { {rI ,}' .} }∧ // l l | .\{≧┤ ハ . 从∧ 八{... | | l ト、从 y'´_)心}〉 / ハ ←最高のお嫁さん←と書かれた文字の上にマジックで塗りつぶした後 ヾ\ ` ´ イ-=彡八{ |∧y'心 .V炒...l//. ハ イ\ヽ _/ノV/ / /\八ハ`Vリ . .//_/ハ . .</ | ゝ、 xく /Ⅳ / / ∧ . ' ___ /// ハ ←最高のプロデューサー. .< i !ヾく_∨YYY/|. / / / .、 Vノ //イ ノ/ ) ハ | Vミ辷rvノ ! |.}| / / / 介 .. _.. ´/ ハ, / / /) | ∧ .| ∨ i|| ノ,ノ ト/_/才~/ /.r≧s升¬リ必'" ̄/ /丶// | ∧ _;! ∧,イ 乂 /jヾリ厂`ヾ r-一 必 ./ / // | . ∧__/ `ヽ ///ハ 〈 > "´ / 必 /`ヽ Y . ハ/ . \///〉 У * 、 / . *´ ̄`*必′ `ー′/ Y\ / / / ,. ヽУ`*/ *ヽ、,、/./* *必、 j (_ノ /、 ヽ. / / / .′ ∨! ∧ *Ⅳ/* / ノ乂 ーヘハ . / / / _ ∨_ ヽ ノ ヘ イ / У*へ*八*丿 . ′ ,イ ノ ノ 八 j` ー< ` ー一 ´ と⌒Y ヘ. l ∨ ; / / /)...イ/㌢ト、 / ノ (` く`j l. ∧ l ∨ . i / イ__///゙/㌢ . l く_∠三二ニー..、 (`ヽ ヽ !. . ∧! V .. l .′ ー=彡/k㌢ l |ヾ{チ汽f}ニ二 . . ヽ 人ヽj__У___ ヽ / l .′ ...ノソ l | 戈爻小. `V У ー ′ . . . . . . . . . . . . .ー" . `ヽ . l ムー─┬′ l | | l l ∧ Ⅵ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 丿 . {  ̄`ヽ′ . l l | l l ∧ V ̄二ニー . .、. . . . .  ̄`ヽ / j ̄`ヽj . . l l | l l ∧ ;. . ∧ . . . . . . . . \ . . . . . . . . . ヽ { 厶 . ヽ ! ! ! ! ! ∧j . . . . ∧ . . . . . . . . . . \ . . . . . ∨ i }ヽ \ ! ! ; ./\ . . ∧ . . . . . . . . . . . ヽ. . . . .′ i ! ハ \ \ .′ ! . ; ; ./ ヽ、 . . \ . . . . . . . . . . .', . ./ l ! く ハ. 个=ー─‐<>/ ; ! ; ;., ′ `` .`` < . . . . . У l ハ { \ j | ト、 . . . . . .. ./ / ! ; イ ; ヽ `` .、 ̄ . ハ. ハ } i | | . ヽ. . . . / / ! . / ; ; ヽ `` .、 / ∨ j !| . . ...\/ / ! / '; ; ヽ .`` .、. i / i! . / /┬─ …| .|; ; ヽ . | / / \ __//| . | . | | .| ; ; ヽ ヽ 913 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/02(月) 01 32 06.19 ID WEynw0Uyo [11/15] 【後日 白糸台 京太郎の教室】 ワイワイ ガヤガヤ 京太郎「おはよーっす」ガラガラ オハヨー キョウモカッコイイネー ウフフー 京太郎「おはよう淡」 淡「おはよー」 京太郎「この間は機嫌が悪かったけどど、何かあったのか?」 淡「べっつにー?」 京太郎「???」 淡「それよりさ、最近仕事はどうー?」 京太郎「まぁ、ボチボチかな。最近やったのもパンフの仕事くらいだし」 淡「へぇ?」 京太郎「確か今日、雑誌も発売だったけど……そんなに騒がれないな」 淡「確か結婚雑誌でしょ? そりゃ、学生には受けないでしょ」 京太郎「うっ?! それもそうか……」ガビーン 淡「高校生であんなもの読んでるわけないじゃん」 京太郎「う、うっせー!」 淡の机「ゼ●シィ」ゴゴゴゴゴゴッ 淡「……」 京太郎「はぁ……もっと頑張らいとな」 安価↓3 1 麻雀部に行く 2 今日は事務所に行く そのレスのコンマが50以上で久がいる 3 まっすぐ家に帰る そのレスのコンマが50以上で優希がいる 932 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/02(月) 01 44 40.82 ID WEynw0Uyo [12/15] 【芸能事務所アクセル1】 ガチャッ 京太郎「おはようございまーす」 社長「おお、須賀君。よく来たね」 京太郎「はい。今日も頑張りますよ!」ニッ 社長「雑誌見たよ? はは、二人共お似合いだったね」 京太郎「いや、俺なんてまだまだですって」テレテレ 社長「竜華ちゃんは今日休みだし、からかうチャンスが無くて残念だよ」ハハハ 京太郎「煌さんも雑誌を買い占めるとか行って、今日は出かけてますよ」 社長「あ、そういえば。君に紹介したい人がいるんだった」トウトツ 京太郎「へ? 何ですか急に?」 社長「ほら、今うちの事務所は事務員がいないだろう?」 京太郎「そういえば、そうですね」 社長「ピヨちゃんは産休だが、産まれたあとも色々と忙しいだろうし」 京太郎「なるほど! それで新しい事務員さんを雇うんですね!」 社長「ああ。最初は研修で入って貰って、来年度から本採用しようかと思ってる」 京太郎「それじゃあ、その人が来てるんですか?」 社長「うむ。では、入ってきたまえ!」パンパン ガチャッ ?「……久しぶりね、須賀君」 京太郎「え……?」 . / . ; ヽ .″ ; _ ; ‐ ''"`ノ, ; ゙,. | / ──-ニ之_, 彡从i i | i ;/,,_/'ー 、 、 " ノレ i ト. | l ;イ/テ=ミ;_ , -`ミー i | } l | { /ハ { 。 c'ヽ ,=ミ;, / i ;l |. | i i| / i、 ゙`ー-' /。 c!} / //.||. | | ゙l゙;l i ' ' ' ` -'゙ '/ // .i|'. i | 从 ! ` ' ' / ;ツ i!. ヽ { i )人 ‐ - /; .イ / \i;;;;;;;;i彡″ \ . イ ノ _ , - ' ~ナT爪く ゙ -,r、<; y' / / | \. /. `ゞ===l" \. ./ イ 八 \ ∧\ | | \| / | \ \_ 冫、`;| t、 i | .| \ \ーヘ八 \ ヾ \ ヽ \ヽ \ ヽ 京太郎「部長……?」ドクンッ この時、俺はまだ知らなかった 久「雰囲気、変わったわね」 俺がいなくなった後、部長達がどんな想いをしていたのか 一体どんな、辛い選択を迫られていたのか まだ、知らなかったんだ 次スレに続く…… 937 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/09/02(月) 01 51 47.88 ID WEynw0Uyo [13/15] 【次回予告】 久「あんっ……ダメよ、須賀君」ギュッ 京太郎「そんなこと言っても、俺……もう止まりませんよ?」ムニュッ 久「いやぁ…ん、ダメェ……」ハァハァ 京太郎「ふふ、部長のここ。硬くなってます」ギュゥゥウ 久「あ、ふぁ……」ゾクゾク 京太郎「もっと気持ちよくしてあげますよ」フフフフ 久「ほら、もっと強くやりなさい」グテーン 京太郎「は、はいぃぃ!」モミモミ ガチャッ 竜華「おは――って、何これ?」 煌「マッサージ?」 久「あ~生き返るわね~」ノホホーン 京太郎「(部長、いい香りがする)」クンクン 竜華「いや、なんで清澄の元部長が……」 煌「???」 久「……」ムクッ 京太郎「?」 久「ということで、よろしくねっ!」 京太郎「ええええええええ!?」 【久さんたまんねぇぇぇぇ!! の巻】
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京太郎「パンツ~パンツはいらんかね~」 照「パンツ屋さ~ん!!」 京太郎「おや、また来たんですか照さん」 照「今日は咲のパンツを四枚くれ」 京太郎「もうすっかり常連さんですね」 京太郎「それで代金は?」 照「ああ」 照「菫パンツ一枚と亦野パンツ一枚と渋谷靴下三セットに大星パンツ二枚だ」 京太郎「う~ん、最近は大星パンツの価格が落ちてきてますからねぇ」 照「そこをなんとか」 京太郎「まあ照さんは常連ですしおまけしときましょう」 照「助かる」 京太郎「じゃあポイントカードを出してください」 照「はい」サッ 京太郎「今日は木曜日何でスタンプは三倍ですよ」 京太郎「お、あと咲パンツ一枚でスタンプ100個貯まりますよ」 照「む、今月はもうキツいんだけどな。菫の使用済みストロー10本とペットボトル3本で咲パンツは買えるか?」 京太郎「ええ、近頃菫さん関連は高騰しているので充分ですね」 照「じゃあそれで」 京太郎「これでポイントカードがスタンプいっぱいになりましたので商品贈呈です」 京太郎「こちらのカタログからお選びください」サッ 照「」ペラペラ 照「!?こ、これは!!」 照「この『脱ぎたて咲ブラ咲パンセット』というのはなんだ!!」 京太郎「そちらは文字通り脱ぎたての咲ブラ咲パンを即座にタッパーに回収、品質を保ったまま二日以内にお届けする品です」 照「これを頼む!!」 京太郎「そちらは入手が不定期になりますので入手次第メールで連絡致します」 照「分かった」 京太郎「では次回のご利用をお待ちしております」 京太郎「パンツ~パンツはいらんかね~」 泉「お、パンツ屋さんや」 京太郎「おや二条さん。ちょうど良いところに来ましたね」 泉「へ?」 京太郎「つい先日、レアものを仕入れたところなんですよ」 京太郎「なんと弘世さんが使用したストロー10本とペットボトル3ぼ……」 泉「買った!!」 京太郎「それで代金は?」 泉「園城寺パン一枚に清水谷ブラパン1セット、船パン二枚や」 京太郎「それだとストローはともかくペットボトルの方は無理ですね」 泉「そんな!!そこをなんとかならへんの!?」 京太郎「これでもかなり勉強している方なんですけどね」 京太郎「江口さん関連が品薄なのでそれがあればよかったんですが……」 泉「一応江口先輩の着たタンクトップが一枚あるんやけど、クリーニング済みやしなぁ」 京太郎「ふむ」 京太郎「ではとりあえず今回は手付金としてそのタンクトップを貰いましょう」 京太郎「それで売らずにこちらで保管しておきますから」 泉「そうか。それなら頼むわ!」 京太郎「では今回の分のスタンプをポイントカードに押しときますね」ペタペタ 泉「あ、そういえば明後日ならポイントスタンプ四倍やったやん。損こいたわぁ」 京太郎「まぁ今回のものはレアものでしたからね。明後日には売れてしまっていたかもしれませんし」 泉「ならラッキーやったかな」 京太郎「それでは次回までに料金の方をお願いします。では」 京太郎「パンツ~パンツはいらんかね~」 洋榎「久のパンツ出しぃや!!」 京太郎「いきなりですね愛宕さん」 洋榎「当たり前や。こっちは前々から予約入れとんのに中々手に入らんのやから」 京太郎「部長のは需要に供給が追い付いていないんですよ」 京太郎「とりあえず今回はパンツ二枚だけですが」 京太郎「以前から予約いただいていたのにお待たせしてしまったのでパンストを一枚サービスさせていただきます」 洋榎「ホンマか!?」 京太郎「はい、ですから今後ともご贔屓に」 洋榎「おう、贔屓にするで」 洋榎「ほんで代金なんやけどな」 洋榎「恭子パン二枚とうちの脱ぎたてホカホカパン一枚でどうや!!」 京太郎「はい、結構です」 洋榎「ほな、おおきにな!!」 京太郎「もしもし愛宕さんですか?実はお姉さんが二分前に脱いたパンツが手に入ったんですが──」 京太郎「パンツ~パンツはいらんかね~」 憧「お、やっと着た」 京太郎「新子さん。今回はご足労いただきありがとうございます」 憧「別に構わないわよ。いつも世話になってるんだし」 京太郎「そう言っていただけるとありがたいです」 京太郎「ではこちらから注文していた松実宥さんのマフラー、パンツ、ブラ、その他は手に入りましたか?」 憧「もちろんよ。マフラー二着、パンツ三枚、ブラ四着、靴下五セット、他にも使用済み割り箸とか色々用意してあるわ」 京太郎「ありがとうございます。近頃松実宥さん関連は品薄が続いているので助かります」 憧「それで報酬は?」 京太郎「まずは高鴨さんの小学生時代のジャージ一着、中学生時代のジャージ二着です」 京太郎「ただ、小学生時代のジャージについては年代物ですので若干の品質の劣化があります」 憧「構わないわよ。というかどうやってそんなの手に入れたのよ」 京太郎「申し訳ありませんが仕入れ先については守秘義務がございますので」 憧「ゴメンね、野暮なこと聞いて」 京太郎「お気になさらず」 京太郎「次に千里山の江口さんのパンツ三枚、ブラ三着(内二着スポーツブラ)、短パン二着」 京太郎「小学生時代の卒業文集、中学生時代の卒業文集、使用済みフェイスタオル四枚」 京太郎「あとクリーニング済みですがタンクトップもお付け致します」 憧「充分よ」 京太郎「それでは商談成立ですね」 京太郎「ご用命があればいつでも御呼びください」ペッコリン 久「はい、須賀くん。約束していた前払いの品よ」 京太郎「手作りクッキーに和パン三枚」 京太郎「確かに受けとりました」 久「約束の品、期待しているわよ」 京太郎「任せてください」 春「」ポリポリ 京太郎「滝見さん。先日ご連絡したものはこちらにございます」 春「これが……」 京太郎「はい。『竹井久手作りクッキー』です」 春「」パク 春「美味しい///」 京太郎「では代金の方は」 春「……そこに置いてある」 京太郎「永水五人の巫女装束一着ずつの計五着、確かに受けとりました」 春「また呼ぶ」 京太郎「はい。どうぞご贔屓に」 京太郎「部長、ただいま戻りました」 久「そう。それで注文の品は?」 京太郎「こちらにあります」 京太郎「これがご注文の巫女装束サイズ違い五着です」 久「ありがとう須賀くん」 久「やっぱり巫女プレイをするにしても市販のコスプレなんかより本物を着させた方が背徳感も合わさってより興奮するわね」 久「サイズも一通りあるし誰とでもいけるわね」 京太郎「ご要望があればいつでもどうぞ」
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――――ラジオ局 京太郎「まさか別の仕事でここに来ることになるとは」 AD「あれ、須賀さん今度は瑞原さんのアシスタントっすか。引っ張りだこですねー」 京太郎「はは、どうも……」 AD「それじゃ本番行きますよー」 はやり「はーいみんなー!『教えて!牌のおねえさん』の時間だよー?メインパーソナリティは瑞原はやりでお送りするよ!」 はやり「そして今日はアシスタントさんも呼んじゃいました!咏ちゃんに許可をもらって借りてきた須賀京太郎くんでーす」ドンドンパフパフ 京太郎「どーも、須賀京太郎です。自分でもびっくりしてまーす。はぁ」 はやり「テンション低い京太郎くんは放っておいて、この番組の説明をするね!」 はやり「この番組ではリスナーの皆さんから、麻雀に関する質問やお悩み相談のハガキを受けつけているよ!」 はやり「質問や相談にははやりがビシッっと回答しちゃうから、期待しててね!それじゃあお便りの方、お願いします!」 AD「あれ、渡そうとしたお便り、麻雀に関する質問じゃ無いじゃん……。一枚下のやつ渡しとくか」 ―――― 京太郎「えー、ラジオネームSSSSSさんからのお便りです」 『私の癖が対戦相手に盗まれてしまい、うまくいきません。しかし、私の癖は同じ学校の仲間に見てもらっても分からないと言います。どうすればいいですか?』 京太郎「とのことです。それではお姉さん、質問に答えちゃってください」 はやり「そうだねー、それなら逆に癖を利用した戦術を考えるとかいいんじゃ無いかなっ!?」 はやり「わざと癖と同じ事やって対戦相手を惑わしちゃえ!SSSSSさん、頑張って!」 京太郎「だそうです。ラジオネームSSSSSさん、一度試してみてはいかがでしょうか!それでは次の――」 ――― ―― ― 京太郎「ふぃー、つかれたー」 はやり「ふふ、お疲れ様京太郎くん。流石に慣れてるね」 京太郎「いやいや、まだ3回目ですよ?全然ですって」 はやり「えー、そんなことないよー」
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前話 次話 インタビューの続きでーす 塞「あの時はほんっと焦ったわー……」 胡桃「下手したら全国大会を遅刻で終わらせる所だった! 私含めみんな反省!」 白望「ダル……」 豊音「でも、須賀君が来てくれたお陰で滑り込みセーフだったよー」 エイスリン「ヒーロー!」パッ(頭だけ京太郎のオールマ○トの絵) 塞「んぶっ!」←ツボに入った 白望「おんぶはしてくれなかった……もうちょい早く着けたろうに……」 胡桃「探してもらっておいて厚かましいよシロ!」 白望「胡桃は肩車されてた癖に……」 胡桃「あれは緊急事態だったからいいの!」 塞「けほっ、けほっ……。それにしても、まさかあんな場面で、ネットで噂のS君に出会すとはね」 豊音「急いでたから、サイン貰うのすっかり忘れちゃってたよー」 塞「どうだろ。あの子、サインとか書いたことあるのかな?」 豊音「えへへー。それならそれで、初サインだからちょー嬉しいよー」 塞「可愛い奴めーうりうりー」 胡桃「でも豊音。あの時は仕方無かったかもだけど、肩車してる相手に飛びついたり、男の子に抱き着いたり、マナー悪かったからね。気をつけなよ」 豊音「あうぅー……」 塞「そうねー。豊音はおっぱい大きいんだから、須賀君みたいなおっぱい星人にぐいぐい押し付けたりしたら、狼になって食べられちゃうかもよー?」 エイスリン「ハニートラップ!」パッ(京太郎(だらしない顔バージョン)ヘッドのミツバチが飛んでる絵) 胡桃「んっふ……!」←ツボに入った 豊音「お、おぱっ……! 須賀くんはそんな子じゃないよー! きっと! そ、それに、私より原村さんみたいなちっちゃくておっきい女の子の方がいいだろうし……」 白望「でもあの少年、動画で豊音の事べた褒めしてたし……」 塞「私達にも可愛いーってさ。たらしって噂されるのも納得だわ」 豊音「そ、そういえば! 須賀君ってすっごい力持ちだよね! 胡桃を肩車しながら飛び掛かられても、びくともしなかったんだよー!」 塞「あーわかる。あの荷物だって、ちょっと持ったけどえらいずっしりしてて正直キツかったし」 胡桃「そもそも私を肩車して何分か歩いてても、ちっともバランス崩れなかったしね!」 エイスリン「アシニネガハエテル!」パッ(京太郎フェイスのウッ○マン) 白望「あー懐かしいねそれ……」←ツボに入らなかった 塞「エイちゃん、須賀君の顔の再現度高いけど、そんなに印象に残ってる?」 エイスリン「ウン! プリンスミタイ!」 胡桃「えー、王子様って感じとはまた違わない? イケてる方だとは思うけどね」 塞「まーイケてるにせよないにせよ、あの子には東京にいる間に恩返ししないといけないね」 白望「話のまとめ方強引だなぁ……」 胡桃「もちろん清澄に手加減とかしないけどね! そういうの求めてないだろうし!」 豊音「でも恩返しとはまた別で、須賀君とは一緒に遊んでみたいよー」 塞「じゃーそれも兼ねて何か考えとこっか。一応私は連絡先交換しといたし」 エイスリン「ズルイ!」パッ(ぷんぷん丸の顔文字) 塞「急いでたからしょーがないじゃーん」 ちなみに、動画のコメントにはSに対して迷子のプロファイリングを求む声が殺到したという。 カン 前話 次話